江戸時代の結婚相談、その１

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2022.10.4
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江戸時代にも結婚相談なるものがあったのかといえば、
もちろんありました。ただ結婚相談とか婚活というボキ
ャブラリーがあったかなかったかという問題でしかあり
ません。
人口の減少というのは一つの民族にとって、あるいは家
族にとって血筋が絶えるという死活問題でありますから、
どういう時代にもあって当然だと考えてもよろしいかと思
います。
ただ大きな誤解があるのは、江戸時代という”封建社会”で
は、結婚というのは個人と個人の結びつきではなく、家と
家の縁組であったという点です。
それはあるにはありましたが、人口の５％程度の武士階級
の中でけの話（大きな農家や商家にもあったかもしれませ
ん）にすぎません。
それ以外の農工商という大衆（武士階級以外のエトセトラ
という意味で百姓と言いますが）の世の中では、好いた惚
れたというかなり自由な恋愛結婚が当たり前だったのです。
長子相続の武士階級でも、長子以外の冷や飯食いの人たち
や下級武士は家督相続という問題を抱えていませんから結
婚はかなり自由でした。
江戸時代は男尊女卑の世界であったというのも武士階級だ
けのお話で、それ以外ではむしろその逆、つまり女尊男卑
の風潮がまかり通っていました。
なぜかといえば、江戸という町では女性の数が男性の半分
でしたからです。ですから女性はそれこそ選り取り見取り
でしたが、男性の側はそれは大変でした。当然ながら運の
悪い男性は独身のままの生涯を余儀なくされました。
そういうわけですから、江戸時代の結婚相談所というのも、
男性側の結婚の悩みを少しでも解決するものであったよう
です。
恋愛結婚が恥ずかしいものとされ、お見合い結婚が主流と
なり、また男尊女卑の世の中になったのは、明治になって
から後のことでした。
文明開化などと言いますが、結婚問題や男女の恋愛問題に
ついては、未開の文明の方に舵を切ったのです。不思議と
いえば不思議な話です。
しかもこれは日本だけの話ではないようなのです。少なく
とも結婚問題に関しては近代国家ができるとともに、結婚
は自由と民主主義の時代からとても封建的なものに鞍替え
したようです。
また江戸時代では結婚が自由恋愛であったばかりでなく、
結婚自体が自由でした。同棲や結びついては離れ、離れて
は結びつく、今の言葉で言えば、かなり自由奔放だったの
でした。
ですからあの時代の結婚相談所は結婚相談というより恋愛
の相談所のようなものだったのかもしれませんね。
現代の日本の若い人達を草食系性男子と肉食系女子などと
言ったりしますが、その言葉は江戸の人達にこそぴったり
でした。
男性は筋肉モリモリのたくましいタイプより、色白で華奢
でおしゃれなタイプが女性に人気がありました。
特に今と違って肉体労働をする男性がほとんどで、しかも
夏なんか半裸で過ごす人が多いので、たくましい男性は見飽
きていたわけです。
スキンケアというのはどちらかというと若い男性がやるもの
で、せっせとムダ毛剃りなどをやっていました。
江戸時代の独身男性が結婚するにはこのように涙ぐましい努
力が必要だったのです。
結婚相談所もですからそういう男性のためにあったのだと
思われます。
今も未婚男性の増加が社会問題となっていますが、江戸時代
はもっと深刻だったのです。
ちなみに独身男性の一番人気は火消しとか、町与力とか言わ
れる人たちで、金回りもいいし、とてもいなせな格好をして
いました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）
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