むつみ会のつくりかた。

絶妙なゆるさと家族経営の温かみが魅力!

「むつみ会」のルーツをたどってみた。

こんにちは!

フットワーク軽めのライター・イセキです。今日は以前から気になっていた熊本の結婚相談所「むつみ会」に突撃取材にやってきました! なにせホームページの写真がゆるい。相談員と思わしきご夫婦と、なぜかお孫さん?や娘さん?まで載っている…? 不思議な魅力に惹きつけられ、既婚者のくせに「ごめんくださ~い」と門を叩いたのです。

 

スパイ稼業と製麺工場と結婚相談所と。

むつみ会相談員 野田由美子(以下由美子)
どうぞどうぞ、おかけになって。

ライター井関(以下井関)
ここが相談室ですか~。なんだかレトロな感じで、実家に帰ってきたみたい。落ち着きます。

由美子
ありがとうございます。以前はもっと自宅と一体化していてね。自宅のリビングを通らないと相談室にたどり着けなかったのよね。ふふふ。

井関
そ、それは気まずい! けど想像すると笑えてきますね。良くも悪くも緊張感ゼロみたいな。そんな時代も含め、今日はむつみ会の歴史やルーツもお伺いしたいと思っているんです。

由美子
あらぁ、そうなの。じゃあお父さんを呼ばないとね。あなた~!


むつみ会代表 野田成治(以下成治)
やぁやぁこんにちは。私の親父とお袋の話を聞きたいって?

井関
いや、むつみ会の…。でも、そのおふたりが結婚相談所を立ち上げられたんですよね?

成治
そうですよ。親父は戦前、今でいう民間のスパイのような仕事をしとってね。中国本土で中国人のフリをして生活してたらしいんだよね。

井関
民間の? スパイ???

成治
あるとき軍から「脚気対策に、ビタミンCが豊富なお茶の葉を大量に仕入れてほしい」と軍から要請があって、中国全土から掻き集めたお茶をトラック20台に積んでね。山賊に襲われたりしながらも、命からがら日本に運んで、今でいう30億円くらいの財を成したらしい。

井関
????? ヤンジャンに連載されてる漫画の話?????? 

成治
その後は上海で良い暮らしをしていたらしいんだけど、戦争で無一文になっちゃったんだな。それで、お袋の実家があった唐津に帰ってきて、製麺所を始めたんだよ。その製麺所もすごく好調で、3F建ての大きな工場も建ってね。

井関
とにかく才覚のある方だったんですね。お父様は。

成治
そうだね。でも、親父の快進撃はそこまで。保証人倒れして、今度は多額の借金を背負っちゃったの。それからは何をしても上手くいかず、幼い頃は家族全員が狭~い海の家に身を寄せて、震えながら生活していたね。あの頃は苦しかったなぁ。

井関
スペクタクルすぎる。そして結婚相談所からどんどん遠のいていく

成治
そうそう結婚相談所。いろいろやっても上手くいかなくて、親父は高血圧で倒れちゃったんだよ。ちょうどその頃、お袋が雑誌で東京にできたばっかりの結婚相談所をみつけて「これだ!」って思ったらしい。ちょうど交通センターができたのと同じ年に、小さな結婚相談所を始めたんだ。日本でも、多分何番目かに早かったと思うね。

井関
やっと結婚相談所の話になった~~~~~~。もともと、お母様の発案で始められた事業だったんですね。



成治
そう。お袋は結婚相談所を始めてから、どんどん元気になっていった。「一生やり遂げる」って言っていたなぁ。本当にそのとおりになったんだけどね。

井関
天職に出会ってしまったんですね。

成治
相談を受けているときのお袋は鷹のように鋭い目をしてて、決して耳障りのいいことばかり言わない。怖い相談員だったと思いますよ(笑)でも、心の底から相談者のことを考えていたから、慕われていたなぁ。休みの日にも「先生、先生」って相談者たちが遊びに来ちゃって、いつも人に囲まれていたね。

井関
素敵な方だったんですね。おひとりで頑張られていたんですか?

成治
当初は一人で始めたけど、私も大学在学中から手伝うようになって、卒業後しばらくしてから本格的に相談所の運営に携わるようになりましたね。妻とも、むつみ会がキッカケで出会ったんだよ。

由美子
あらあら、私の話はいいわよう。照れちゃう。

井関
ぜひ聞かせてください!

 

 

代打で1年だけ、のつもりがライフワークに。

由美子
適齢期になっても結婚しない私を心配して、母が結婚相談所に問い合わせて予約をしたのね。ところが相談当日、道に迷って電話したのが、偶然むつみ会だったの。予約していた相談所は別のところだったんだけど、なぜかこっちに電話したらしくて(笑)

井関
えぇ~?オトボケが過ぎますね? 

由美子
でしょう? 電話したら成治さんが出て、自転車で迎えにきてくれたらしいのね。それで、母同士がすっかり意気投合しちゃって、なんだかんだで結婚することになったのよ。うふふ。結婚してから借金があることを知って、気が遠くなりましたけどね(笑)

井関
「なんだかんだ」部分がめちゃめちゃ気になりますが、まぁ置いといて。じゃぁ、由美さんも結婚してすぐに相談所のお仕事を?

由美子
いえいえ、私はずっと専業主婦でした。年子の息子がいて子育て真っ只中だったし、その頃は成治さんのお姉さん家族や親世代も一緒に、大家族で暮らしていたから忙しくて。

井関
ひぇ~~~~~大変そう。ストレス溜まりませんでした?

由美子
大変だったけど、気持ちの良い人ばっかりだったし毎日にぎやかで楽しかったですよ。お義母さんも、相談者さんには厳しかったけど、子どもたちには本当に優しくて良いおばあちゃんでね。

井関
由美さんが相談員を始められたのは、いつ頃のことですか?

由美子
今から20年前くらいかしら。お義母さんが転んで骨折してしまって「骨がくっつくまでの間だけでいいから、繋ぎで入ってくれないか」って頼まれてね。その頃、お義父さんは既に亡くなっていたし、成治さんは別の事業が忙しかったから、1年間だけお手伝いすることになったの。やり方は何もわからないけど、お義母さんの対応はずっと間近で見ていたから、見よう見まねで。

井関
「自宅と一体となった相談所」が図らずも役に立ったんですね。で、気づけば20年間続けているという(笑)由美さんは、野田家にとって救世主だったんですね。

由美子
そんな大層なものじゃなけど、不思議よねぇ。いつの間にか楽しくなってきちゃって。

井関
業績的には順調だったんですか?



成治
お袋は「相談者さんが幸せになればいい」という人だったから、うちは料金がとんでもなく安かったんです。だから、どんなに忙しくても儲かるってことはなかったなぁ。いわゆる高度経済成長期はお見合い全盛期でもあって、需要は山ほどあったけどね。

井関
へぇ~! お見合い全盛期だったんですね! ちょっと意外です。

成治
昔はどこの町にも「お節介なおばさん」というのがいて、年頃の子どもがいれば縁談が自然と舞い込んできていたわけ。でも、だんだん社会全体が個人主義になっていって、お節介おばさんもいなくなって。でも、まだまだ自由恋愛なんてドラマや映画や、一部の人たちのものだったから。「あれ、どうしたら結婚できるんだろう」って困っている男女がいっぱいいたんだよ。

井関
そこに彗星のように現れたのが結婚相談所だったんですね!

由美子
そうなの。でも、お義母さんは本当に薄利でやっていたものだから、ちっとも儲からなくて。今も同じなんですけれどね。ふふ。

井関
確かに、この令和の世にあって入会金3万円(2年間有効)、月会費ゼロは破格すぎます。

成治
始めた頃はもっと安かったね。当時は親の遺した借金もあったし、相談所だけでは子どもを食わせていけないし、ってことで私は叔父とタイヤ屋をやっていたんだよ。そして、遂に借金をきれいさっぱり返せたんだけど。

井関
けど?(また波乱万丈の匂いがしてきたぞ

成治
直後にタイヤの価格が大暴落して、さらに精神的な支えだった母を失ってしまって、私は抜け殻になっちゃったんだな。いわゆる鬱ってやつだね。何もできなくて、ただ暗闇の中を這うような苦しい時期が長く続いたよ。

井関
その間は、むつみ会は由美さんだけで維持されていたんですか? 大変なご苦労でしたね。

由美子
ちょうど時代も大手の結婚相談サービスが出てきたり、恋愛結婚が主流になってお見合い全体の数が減ったり、いろいろ厳しかったから、とにかく無我夢中でしたね。どうやっても売上は下がってしまって、困っているときに息子夫婦が助けてくれたのよ。

井関
またしても救世主が!

 

 

 

無我夢中の毎日が、幸せを運んでくれる。

井関
息子夫婦ということは、ホームページの写真に登場する美人と愛らしいキッズは、お嫁さんとお孫さんですか?

由美子
そうなの。いよいよ自宅兼相談所の家賃が払えない、どうしようっていうときに、息子が結婚して「家を建てるから一緒に住もう、そして相談所のスペースも確保しよう」って言ってくれて。

成治
ホームページの再編や、インターネットの広告もやってくれて、落ち込んでしまった売上も上向いてきた。本当に助かったね。

井関
お嫁さんは、結婚=即同居ってことですよね。よくOKしたなぁ。ん? この話、どこかで聞いたような???

由美子
うふふ。

井関
あ、そうか! お嫁さんは由美さんと同じような経緯で野田家に加入しているんですね。そして由美さんは「結婚相談所の仕事をしながら孫と一緒に暮らす」っていう、お姑さんとそっくり同じ道を歩んでいらっしゃるんですね~。不思議な因果。

由美子
お義母さんはね、昔の話を聞くといつでも「腹いっぱい苦労した」って言っていたのね。でも「結婚相談所の仕事は楽しかったし、孫と一緒に暮らせて幸せだ」とも言っていました。私も、同じ気持ちなんですよ。息子夫婦や孫と賑やかに暮らせて、誰かの幸せをお手伝いできる仕事ができて、とっても良い毎日だなって。

井関
じ~ん。ええ話ですね。苦労と幸せを天秤にかけたら、幸せ側がうんと重いんですね。素敵だなぁ。

成治
わざわざ、こんな大変な家に嫁がないにしても(笑)結婚って、実はそういうものなんですよ。

井関
と、おっしゃいますと?

成治
今は、女性はみんな美しくなっているし、自分のことも分析されていて相手に求める条件がはっきりしているでしょ? それも悪いことじゃないんだけど、おすすめは厳密に条件を絞りすぎない婚活ですね。「何となく相性が良さそうだな」っていう人と、思いきって結婚してみる。そして無我夢中で日々を暮らしてみる。そうしたら、いつの間にか良い具合のところに落ち着いているというかね。結果として幸せを感じられるんじゃないかな、と思いますよ。

井関
あぁ~。何となく分かるかも。最初から完成された幸せを手に入れようとするんじゃなくて、結婚後に家族みんなで幸せになれば良いってことですね。

由美子
そうそう。うちでは、こんな風にいろんな話をして、もちろん相談者さんのお話もたくさん伺って。私たちがきちんと「気が合いそうだな」って思うお相手をご紹介しますからね。よかったら、気軽にご相談くださいね。

成治さん、由美さん、ありがとうございました。

昭和冒険浪漫(!?)から、幸せの極意まで聞けちゃう熊本の結婚相談所「むつみ会」。

気になる方はぜひぜひ気軽に問い合わせてみてくださいね~!

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