熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

ハイネを抱いて

「月の夕べ、雨のあした(朝)われハイネを抱きて、
共に泣きしこと幾度か」
・・・高山樗牛
これはいまでいえば、ヒットチャートのポップソング
のようなものである。
当時の若者らはこういう歌に感涙した。そして、彼ら
とて今の若い人たちも同じ日本人なのである。
「戦前を誰か知らないか」を書いたのは、大正生まれの
酔狂なナンデモ屋、故山本夏彦である。
氏は日本の戦前戦中という比類なき濃縮された時代に
多感な青年時代を送り、
予後?を平和日本で過ごされた日本人である。
だからして、昭和20年の終戦を境目にして生じた時代の
濃淡の落差を身をもって感じ取った、おそらく最後の
表現者のひとりであるだろう。・・・
明治維新の文明開化で日本の伝統文化が窮地に立ち、
さらに戦後の核家族化の完成でとどめをさされたと、
山本氏の目には映った。
我々はどこからやってきて、どこへいくのだろう、
・・・と、氏は言っている。
・・・
国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、
18歳〜34歳の未婚者の30%以上が子どもを一人も望んでいな
いとか。
さらに未婚者のうち男性24%、女性21%が、これからも結婚す
るつもりはない、とか・・・・。
また、異性の恋人との交際経験がない男性が42%、女性が37%。
私たち団塊の世代からすると、何もかもがにわかには信じられな
いような数字がずらりと並んでいる。
何をどうすればこのような結末になるのか?
根本的な問題として若い人たちの賃金が上がらないという経済的
な要因が挙げられている。

確かに今の日本では高所得者ほど子供を持つ割合が大きいし、極端な

学歴社会になって学費負担が重くのしかかるようになった。でも果た

してそれだけが根本的な問題なのだろうか?

だって、それをいうなら、私たち団塊世代(子沢山)を産み育てた人たち

はどうなるのだろう?
一日三食白いご飯(銀シャリという)を口にでき、冬はセーターを
着込んで、暖房の効いた一軒家に住んでいるのは、余程恵まれた人た
ちだった。にもかかわらず、小さな子供が1ダースなんて珍しくもな
かった。
家事の手伝いはさせられても、ベンキョーしなさいなんて口やかまし
く言われたこともなかったし、学校も義務教育が精一杯で、もしもっ
とやりたいなら自力でというのが当たり前だった。
働きながら夜間高校に通い、大学まで行くものもいた。ただし国立大
学に限る。なぜかというと、授業料がタダ同然(月千円)で、同じく
ただ同然の学生寮(オンボロだが)もあった。バイトしながら、親
に仕送りするものも大勢いた。
それでもみんな元気に成長して、あの戦後の高度経済成長期を支える
主役となった。
それを思えば、経済的な問題で、、、というのは、言い訳みたいにしか
聞こえなくなってくるのは仕方がない。
根本的な問題というのなら、山本夏彦氏のいうように、
「明治維新の文明開花で日本の伝統文化が窮地に立ち、戦後の核家族
化の完成でとどめを刺された」
という説明がすっきりくる。
核家族と一口にいうが、その核家族だってどうも怪しげになってきた。
ある映画監督が、、、
「ものすごく大きな社会のことを語りたい時には、ものすごく小さなこ
とを表現するんだ」
といった。
だから今起きてる、ものすごく大きな社会の問題を語るのは、政治家で
もなく、経済評論家でもなく、あなたのすぐ隣り、あるいはあなた自身
の身の回りで起きていることをあなた自身の目で見直せばいいのだろう。
さてその双眸にはなにが映るのだろう?
我々はどこからやってきて、どこへ行こうとしているのだろう?
月の夕べ、雨のあした(朝)、胸にいだいて共に泣きし、あのハイネを
私たちは永遠に失ったのだろうか?

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