コケてナンボ・幸せな結婚の試金石
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一番速く駆けるものが必ずしも勝つわけではない。
また、勝っているように見えるものが必ずしも勝者とい
うわけでもない。ってなことを”引かれものの小唄（負け
惜しみ、強がり）”と、のたまうものにはのたまわせておけ
ばいい。問題は・・・
賭ける値打ちのあるものに賭けたかどうかであって、そう
である限りは、ウサギであろうがカメであろうが、どっ
ちでもいい。勝者を羨むこともなければ、敗者を侮るこ
ともない。羨望と軽侮のサンドイッチで生涯を送ること
もない。
人間の脳は情報の集積地（コンピューターもそう）であ
るが、あろうことか全てが直線でできている。脳は四角
四面でなければ働かない、というより、四角四面の方が
楽だからそうなる。勝ち負けで考えるとすぐ答えが出る
からそうなる。そして結論が出なくなると絶望する。
でもね、元々を考えると結論なんてあるはずがない。結
論を急ぎすぎるとコケる。コケると、なぜコケるのかと
考えるから、しょーもない堂々巡りになる。
我が家の孫娘（小３）はヨチヨチ歩きを始めてからこっち
何度階段から転げ落ちたか数えきれないくらい。天草のマ
マの実家では３０段の階段の上から下まで真っ逆様に転げ
落ちたのに、怪我らしい怪我もしなかった。泣いたりもし
ない。アイタタタとはいうけどね。なぜかというと、転げ
落ちるのに慣れっこになっているからだろう。
七十五歳の僕だったら、３０段どころか５段でも再起不能
になるかもしれない。アイタタじゃ済まない。そう考える
と今時の人間は概ね七十五歳の爺さん婆さんみたいなものか。
突っ張らかってるから骨だって折れる。ボールかフーセンに
なればなんてことないのに。そういや、地球だって、満天
のお星様だってみんなボールか風船みたいだし。三角とか
四角の宇宙なんて聞いたこともない。SFにだって出てこない
アホらしいから。
みんなに祝福されて結婚した相手がコケた。ギャンブル癖が
治らず仕方なしに別れた。そして十年がかりで借金を返した。
そんなそっくりな体験を乗り越えた女性と男性が出会い、
再婚した。とんだとばっちりで、貴重な人生の一時期を無駄
にしてしまった。アカの他人であれば知らんふりもできたの
が、結婚したばっかりに・・・・という思いを共有している
二人が出会い、これからは失われた年月を力を合わせて取り
戻そうと誓いあった。熊本の結婚相談所むつみ会であったウ
ソのようなホントの話。
熊本の結婚相談所むつみ会は創業して六〇年になりますが、
それくらいやっていますと、似たようなエピソードにもこと
欠きません。
思い描いた通りに万事が運んでいけばそれに越したことはあ
りませんが、そうはうまくいかないのが人生の常なのでしょ
う。むろん結婚だって例外ではないというわけですね。アカ
の他人であれば知らんフリできても、そうでなければ、特に
扶養家族があったりすると、そうもいかない場合があるのも
事実です。万全と思ってもアリの一穴から、、、というドラマ
はいっぱいあります。
結婚というのは人と人のつながりの最たるものです。では
”人と人のつながり”とは何かといえば、お金で買えないもの
なのだと思います。お金でつながった縁は、お金の切れ目が
縁の切れ目になります。特にこれからの不安定な時代は何が
起こるかわかりませんから、そのことは心しておいた方がい
いと思います。
知人A氏の事業が倒産し、負債でがんじがらめになりました。
A氏は家族を巻き添えにしたくなかったので離婚しようとし
ました。でも夫人は頑として拒否しました。苦労するなら
一緒でしょうって。家族全部の力を合わせればきっと乗り越
えられるって。
かと思えば、一文無しになった途端に、あっけなく一家離散
とか、自分に二億円なりの生命保険をかけて、ちょうど二年
目に飛び降り自殺したとか、、、、お金にまつわる悲劇ならそれ
こそ掃いて捨てるほどあります。
A氏家族のような美談？は今のような世の中ではとっても珍し
いですね。夫人が素晴らしいのは間違いありませんが、それ
だけでもないと思います。夫人にとってA氏はきっと
「何かと交換することなどできない。比べることもできない。
あなただけの価値を持っている」かけがえのない男性だった
のでしょう。お金があってもなくてもかけがえのない人、
歳をとって、しわくちゃのお爺さんお婆さんになってもかけ
がえない人になれるかどうか、それが幸福な結婚生活の試金
石になるような気がします。
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