婚活と情報化は反比例する

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2023.12.7
婚活コラム

熊本の結婚相談所むつみ会が発足したのが54年前ですから、
その頃は日本全国見渡してもたぶん同業者はいなかったと思
います。つまりそれまでは婚活のための情報はなかったわけ
です。ごく身近な人たちの口コミ程度の範囲内で未来の結婚
相手を見つけるしかなかったのでした。茶道や生花の教室が
たくさんあったのは、礼儀作法を学ぶためという表向きの理
由とともに、格好の婚活の場でもありました。
その頃熊本市の婦人会に会報を出していた関係で、そんな複
数の教室の主催者から婚活に関する相談を受けているうち
に、それらの横の情報のネットワークを作ってみようかと思
ったのが熊本の結婚相談所発足の糸口になったのです。
確かにそれはとても合理的で便利なものではありました。で
も一方においては、情報量が飛躍的に増えたために結婚とい
うものに対する人々の意識が変わってしまったということも
あります。
つまり多数の候補者の中からより理想的な結婚相手を選べる
ということは、とりもなおさず、そこから漏れる人も出てくる
ということになるからです。
私たちのような結婚相談所をやらせてもらっている者がこん
なこというと、まさに逆効果なのですが、どうもそうとしか
思えない面も確かにあると思います。
「婚活と情報化は反比例する」
これはもう確信をもっていえますが、情報化が進むほど結婚
受難は加速します。またマライさんがノーベル平和賞を受賞
しましたが、女性のインテリジェンスが進むほど、出生率は
下降少子化は加速します。
そもそもインテリジェンス（記憶量）は行動量に正比例し
ますが、行動量は逆にインテリジェンス（記憶量）に反比例
します。不可思議千万なハナシですが、一般論として理屈が先
行すると身動きが取れなくなります。リスクの高い行動ほどそ
の傾向は強くなります。また結婚は一世一代の選択ですから
賭け率はとても高いのです。
無難な選択をすれば賭け率は低くなりますが、（不況になれ
ば特に）競争率が高くなります。
思えば人生は決断の連続です。否応なく岐路にたたされます。
婚活の場合はだれそれと結婚するか
どうかの決断力の問題になりますが、決断そのものを放棄あ
るいは回避するという選択肢もあります。
事前の知識が有益かといえば、関連情報は溢れていますし、
占いなどに頼るという手段など、なんでもありですが、あく
まで他人の経験の薀蓄です。直面している問題が深刻で重大で
あるほど、人の意見ほど当てにならないものはありません自
分の（結婚に限らず人生の決断）経験という裏づけが必要です。
その際方法は二つに一つではないかと思います。
①即断即決
②熟慮断行
どちらがいい悪いでなく、場合によりけりです。考えても仕方
がないと思ったら①、運を天に任せることも必要かと。考える
余地があると思うなら②。
どちらにしろ想定の範囲内で収まらないのが人生です。そこ
らへんはご両親からのアドバイスをどうぞ。
氾濫する情報にふるまわされるのだけはくれぐれもご用心く
ださいね。
熊本の結婚相談所むつみ会ではいち早く（1990年ごろ）にコ
ンピューターによる会員さんの管理のシステムを導入しまし
たが、以上のような意味あいから中止しました。
プライバシーが守りにくいということもありますが、一番の
理由は、最も大切なものがおざなりになりそうな気がしたか
らです。
コンピューターが扱うのはあくまで数値ですから、数値にで
きないものは頭から除かれてしまいます。でも、その除外さ
れたものの中に人と人が結びつくための最も重要な要素が
眠っていることに気づいてしまったからです。
成婚もですが、ゴールインした後の生活の決め手になるのは、
相手の人柄であり、その人柄と人柄の向き不向き、つまり相
性です。
どんなに経済的な問題とか社会的なステータスに恵まれてい
たとしても、人間的な結びつきが希薄であれば素敵な家庭を
築くことなど出来っこありません。ですから私たちとしては
相手の一人一人をおざなりにではなく丁寧に見極めてもらい
たいと思うのです。
色々なデータも参考にはなるでしょうが、それに振り回され
すぎると、後々後悔することになるかもしれません。自分の
目で見て、自分の感性を信じて判断することは大切だと思い
ます。
ずいぶん昔の話になりますが、息子さんの結婚の相談にいら
っしゃったお父さんがおっしゃいました。
「人間なんて中身はみんな同じようなもんだから、家柄とか
学歴とか、見た目の良ささえ揃っていればいい」
これは極端な例になりますが、そういう傾向が年々強くなっ
てきたのは紛れもない事実のようです。
またアメリカに留学した経験のある、ある男性はこんなお
話をされました。
「アメリカ人の夫婦は一緒にいる間はいつもベタベタしてとて
も仲がいいように見えるけど、そのくせ別れる時は呆れるく
らいあっさりとパッとばかりに別れる。日本みたいにそんな
に好きじゃないけど一緒にいるとか、子供がいるからとか、
そんなことはほとんどない。ちょっと日本人から見ると理解
できないところがある」
どっちがいいとか悪いとかいうことはこの際別にしても、
異性を通じて自分の世界を広げていくとという気持ちがなけ
ればそういうことになるのかなと思います。
自分の世界を大切にするということもあるのでしょうが、そ
こに閉じこもりすぎると結婚生活というものは成り立たない
ような気がします。