母の言葉とむつみ会の価値観
「母の口癖はこうでした。“今はね、小さな一粒の種かもしれないけど、百年経ってごらんなさい、大きな林、いえ、大きな森になってるかもしれない。周りの風景だってすっかり変わっているかもしれないのよ。”」
母の言葉を大切にし、むつみ会結婚相談所のオフィスも、あえて畳敷きで、振り子の柱時計を置くというインテリアにしました。百年後のことを視野に入れた視点は、私たちの活動の根底にあります。
未婚時代をどう捉えるか
「百年後を考えると、未婚時代はお先真っ暗に思えるかもしれません。」
未婚男女の増加と人口の減少は、確かに社会問題として語られます。しかし、それが必ずしも悪いことばかりではないかもしれません。社会的な背景を考慮すると、見逃せない問題が隠れているのではないかと感じます。結婚相談所の現場から見ると、時代の変化が結婚に対する意識に深く影響を与えています。
昭和から現代への変化
むつみ会結婚相談所が創業した昭和二十年代は、戦後のベビーブーム世代が結婚適齢期に差し掛かる時期でした。それから半世紀が経ち、今は少子化が進行中。出生率は低く、一組の夫婦から生まれる子どもは1.4人程度。社会全体が変わっていく中、結婚に対する価値観も大きく変化しています。
結婚と生活感
昭和時代の結婚生活には、何もないところから二人で力を合わせて作り上げていくロマンがありました。たとえば、新婚当初のカップルは、質素な生活でも幸せを感じていたものです。しかし、現代では、物質的な豊かさが先行し、結婚に求められる条件が大きく変わってきました。今のカップルが抱く幸せ像は、昔とどう違うのでしょうか。
新婚生活と現代婚活
「今、結婚生活には生活感が薄いように感じます。」
昔の結婚生活は、生活の一部として現実的な部分が強調されていました。しかし現代の婚活では、コスパ婚活や効率重視の風潮が強くなり、結婚に対する価値観も変化しています。お金さえあれば、物質的には満足できる社会ではありますが、それが本当の幸せに繋がるのか、再考が必要です。
結婚相談所としての使命
むつみ会結婚相談所がスタートした50年前、社会は質素でした。スーパーもショッピングセンターも少なく、物質的なものが少ない中で結婚を考えるという時代背景がありました。今、物質的に豊かになった社会では、結婚市場も変わりつつあります。けれども、結婚市場が「マーケット」であるかのような風潮には違和感を覚えます。結婚における本当の価値は、「人」が中心でなければならないと、むつみ会は考えています。
物から人へ、結婚の本質を取り戻す
結婚は物質的なものではなく、あくまで人と人のつながりです。モノやカネが優先される現代において、本当に大切なのは「ヒト」の幸せであり、その上で物やお金がどう生かされるかを考える必要があります。結婚相談所として、この本質を伝え続けることが私たちの使命です。