江戸時代の結婚事情とその特徴

江戸時代にも結婚相談所のような存在がありましたが、当時は「結婚相談」や「婚活」といった言葉は存在しませんでした。
しかし、人口減少が一つの民族や家族にとって死活問題であったことは変わりません。どの時代にも結婚という問題が深刻であることは理解できるでしょう。

江戸時代の結婚は家と家の結びつき

江戸時代の結婚に関する大きな誤解の一つは、結婚が「家と家の縁組」であったという点です。
これは主に武士階級や大きな農家、商家に限られる話であり、人口の5％程度を占めていたに過ぎません。

一方、農工商の大衆（いわゆる百姓）においては、恋愛結婚が当たり前でした。江戸時代の下級武士や長子以外の武士たちは家督相続の問題を抱えていないため、結婚においても自由度が高かったのです。

男尊女卑の逆？ 江戸の女性優位社会

江戸時代は男尊女卑の時代だと言われがちですが、実際には武士階級以外では、むしろ女尊男卑の風潮が広がっていました。
江戸の町では女性の数が男性の半分だったため、女性には選び放題の状況があり、男性は非常に苦労したのです。
そのため、運の悪い男性は生涯独身を余儀なくされたケースも多かったと言われています。

結婚相談所の役割とは？

このような背景から、江戸時代には男性側の結婚の悩みを解決するための結婚相談所的な存在がありました。
恋愛結婚が恥ずかしいとされ、お見合い結婚が主流だったため、恋愛の悩みを解消する場所として結婚相談所が機能していたのです。

明治時代の変化と恋愛観

興味深いのは、明治時代に入ると、恋愛結婚が恥ずかしいものとされ、お見合い結婚が主流となり、男尊女卑の世の中が復活したという点です。
この時期、文明開化と呼ばれる一連の変革が行われましたが、恋愛に関しては逆に封建的な考えが強くなったようです。

近代国家における結婚観の変化

実は、この変化は日本だけでなく、近代国家の成立とともに結婚問題が自由恋愛から封建的なものに鞍替えした現象が見られます。
これは結婚や恋愛の自由を求める時代から、形式的で封建的な結婚制度が強化された不思議な変化だったと言えるでしょう。

江戸時代の結婚は自由奔放

江戸時代では、結婚が自由恋愛であったばかりか、結婚そのものが自由でした。
同棲し、結びついては離れ、離れては結びつく…。今の言葉で言えば、かなり自由奔放な結婚観が存在していたのです。

恋愛相談所としての役割

そのため、当時の結婚相談所は「結婚相談」というよりも、むしろ恋愛相談所のようなものだったのかもしれません。
江戸の人々にとって、恋愛や結婚に関する悩みを相談できる場所が必要だったのでしょう。

江戸時代の「草食系男子」と「肉食系女子」

現代では「草食系男子」や「肉食系女子」といった言葉が使われていますが、実はこの表現は江戸時代にも当てはまるかもしれません。
当時、男性は筋肉モリモリのたくましいタイプよりも、色白で華奢でおしゃれなタイプが女性に人気がありました。
また、肉体労働が主流だった江戸時代において、スキンケアに気を使い、ムダ毛剃りをしていた若い男性たちの姿が浮かびます。

結婚相談所は男性のための場所？

江戸時代の独身男性が結婚するためには、かなりの努力が必要でした。
現代の未婚男性の増加が社会問題となっているように、江戸時代も未婚男性が増加し、結婚に対する悩みが深刻だったのです。

人気の男性職業は「火消し」や「町与力」

江戸時代の独身男性の中で最も人気があった職業は、火消しや**町与力（警察官のような存在）**でした。
彼らは金回りが良く、いなせな格好をしていたため、多くの女性から人気を集めていました。

まとめ：江戸時代の結婚事情と結婚相談所の役割

江戸時代の結婚事情は、現代のそれとはかなり異なっていたものの、結婚相談所の役割は今も昔も変わらない部分がありました。
自由恋愛と縁組のバランスを取るための場所として、江戸時代の結婚相談所が存在していたことは、今日の結婚相談所の礎となったと言えるでしょう。

（続く）
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