天下無敵の婚活道
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五十年前にむつみ会結婚相談室が立ち上がったとき
ベースになったのが、熊本市の婦人会関係の、
お茶とか、お花とか、着物着付けとか、裁縫とか、
料理とかの教室でした。
そのころは若い独身女性（男性も）は、結婚前にそ
うやっていわゆる花嫁修業に励んでいたのです。
それより前には（戦前）行儀見習いとして、遠い所
に家事手伝いに出されたりとかもあったそうです。
おそくとも二十五歳までにはお嫁に行くものだという
社会的な暗黙の了解がありました。
その歳が第一のデッドラインで、第二が三十歳。
デッドラインを超えると嫁ぎ遅れ（いきおくれ）
なんて有り難くない代名詞を頂戴しました。
二十九歳の女性にはこんなことを云ってプレッシャー
をかけたりしたものです。
「二十九歳の次は三十歳だがね、三十歳の次は三十一
歳だと思ったら大間違い、三十歳の次は四十歳だよ」
今時そんなこと言ったら時代錯誤もいいとこになり
ます。
おかげで私たちの仕事は楽でした。お見合いを設定
するのも、縁談がまとまるのも苦労が少なかった。
だから月に何組（多い日は二桁）ものカップルが出
来上がりました。今思えばウソのような話です。
まあ、団塊の世代が適齢期という事情もありました。
子供の頭数が二桁になると、親も持て余し気味でし
たから。
欲を言えばきりがない、適当なところでシャンシャ
ン、それでも（それなりに）偕老同穴ということに
なってるようなので、わからないものです。
あの樹木希林さんも若い人によく言い聞かせていま
した。
「アンタね、結婚なんて考えたら絶対できないよ」
まあ、結婚だけじゃないと思う。
人生設計も考えすぎたら大抵ろくなことにならない。
要は覚悟を決めること、何があっても乗り越えてみせ
る。そう思えば天下無敵だと思いますね。