むかし「夢は夜ひらく」という歌が流行ったようですが、
夢はいうまでもなく夜寝ているときに見るものです。
では真昼間に見る夢はなんというかといえば、”白昼夢”なんていったりします。
現実離れした空想や想像のことですね。
気持ちはわからないではないのですが、ほどほどにしておかないと重たい現実
の復讐にあうのがオチです。仕事でも、恋愛でも。
もしそれでも夢を見たいと思うなら、それなりの覚悟が不可欠です。褌を締め
直してかからねばなりません。
「リアル二刀流」の大谷翔平が一世を風靡しています。マウンドで三振の山
を築いたその手で、バッターボックスでホームランを打ちまくる。そんなこと
ができるわけないとみんなが思いました。そのできるはずのないことを実現し
たから、野球界の、いえ、スポーツ界の、いえいえ、単なるスポーツの世界を
超えた世界のヒーロー的存在になったのでした。
二刀流の頭にリアルの三文字を乗っけるのは、それくらい大変なことなのでしょう。
それでは、結婚とはどういうものなのでしょうか?
正直なところ結婚ほどリアルなものはありません。それでいながら、同時に結婚く
らい見果てぬ夢を見たくなる人生の一大事もありません。
結婚の最大のリアルとは何かというと、”両性の合意”という一言に尽きるのかもしれま
せん。そりゃ誰だって見目麗しく、優雅な暮らしを約束してくれるような結婚相手を
望みます。問題は相手だって同じことを望んでいるかもしれないということです。
つまりそれが結婚における紛れもないリアルなのです。
ではそんな理想の条件が揃った男女が出会い、結婚したなら幸せになれるか、といえば
残念ながら、というかやっぱりというか、おそらく思いもよらなかった形で破綻するケ
ースがとても多いようなのです。
なぜなら結婚生活というそのものがあまりにもリアルなものであるからです。表向きの素
敵さだけでまず失望します。素敵な見てくれも、毎日顔を突き合わせていると、まるで別
の顔が垣間見えてきたりします。自分こそは理想の伴侶だといううぬぼれがお互いに見えて
きて、お互いにうんざりしてくるからなのでしょう。だから何度も結婚しては別れるという
間違いを性懲りも無く繰り返します。
だから、もし結婚にリアル二刀流を望むなら、人間というものに正面から向き合う
覚悟がいるのだと思います。都合のいいことにも悪いことにも過不足なく向き合う
ことを考えなければいけないのだと思います。
それにはやはり人生経験が豊かであればあるほどいいのでしょうが、問題はそれらの
経験からあなたが何を学ぶことができたかということになるのでしょう。
これは学校の教科書からは学ぶことができません。そういうテキストから
離れた世界に眠っている尊い知恵のようなものなのだと思います。
婚姻率が下がり、離婚率が上がっているのは、皮肉なことに机の前に座っている時間
が多すぎるからかもしれません。頭が杓子定規になってしまって、定規から離れた
世界のことに疎くなっているからだと思います。
ある人が「書を捨てて街に出よ」と言いましたが、さらに突き進めて、
「街を出て野に出でよ」と言いたいのです。だって人がウヨウヨいる街の雑踏の中
から出て、野っ原で長々と寝っ転がっていると、人間の世界というものの、いいとこ
ろも悪いところもよく見えてくるような気がするのです。
























