<七ヶ月のため息>
、
みいちゃんが、ダッコされて安心したのか、
赤ちゃんらしからぬ”ため息”をついた。
生後7ヶ月の孫娘のみいちゃんはビックリす
るくらい色んな表情を見せてくれる。
傍にいた妻が言った。
「そうよねみいちゃん、人生はため息なのよね」
どうも聞き覚えがあるし、
なにより、ウンそうだ!!と頷きたくなる。
訊くと以前一緒に観た映画の中のセリフらしい。
記憶を辿ると、なにか天才バイオリニストの物
語だった。ニッポンでは物珍しいイランの映画だった。
題名が、「チキンとプラム」。
、
<天才ピアニストの憂鬱>
、
頭をひねりたくなるが、主人公の天才バイオリニストが
チキンのプラム煮が大好物だったというだけのオチ。
修行時代のピアニストは老師匠に、
「お前のバイオリンはテクニックだけだ。
そんなもの芸術じゃない、ただのクソだ!!」と、
完膚なきまでにけなされてしまう。
その後ピアニストは世に認められ、音楽界の寵児と
なる。
しかし初恋の美女との結婚生活はうまくいかず、
最愛の母との死別という切ない体験をする。
ある日妻とのケンカの挙句、命より大事にして
たバイオリンを壊され、
絶望した彼は自殺をはかる。
結局思うにまかせなかった人生を追想しつつ、
死のベットの上で夢を見る。
かっての師匠を訪れたバイオリニストは
その前で演奏をする。
それを聴き終わった師匠はおもむろにいう
のである。
「それでいい、わしに教えることはもうなにもない」
そして虚空をてのひらで掴むと、ひらいていう。
「人生はため息だ」と・・・・・・・・・・。
、
<ため息なんてつくんじゃないって>
、
さあて、あなたは今までの人生で何度ため息をつきまし
たか?覚えてないくらい?そうでしょうね。
親にはよく叱られた思い出があります。
「子どもがため息なんてつくんじゃない」
こっちまで落ち込んでしまうって。
そんなこと知っちゃこっちゃない。自分だってしょっち
ゅうやってるくせに覚えてないの。
そうなんですね、自分でも知らないうちについてしまう
のが”ため息”。
文字通り胸の中に溜めていた空気を吐くのがため息。
吐かなければ吸えないのが空気ってやつ。
やりきれない時に吐くのがため息っていう空気。
でも、考えてみればやり切れないのは、悲しい時だけで
はありません。たとえば激しい恋をしている時にも吐い
たりします。
<結婚生活はバラ色?>
結婚して家庭を持つと、ひょっとしてもっとため息が増え
るかもしれません、結婚相手も、お互いにですけど。
結婚したての日々は「私たちってなんて幸せなんだろう。
これからどんなに薔薇色の未来が待っているんだろう」
・・・・なんて。
でも子どもでも産まれるとそうはいきません。子育てに追
われるばかりの日々はついつい知らないうちにため息が漏
れてしまいます。それでもそんなため息ばかりの子育ての
日々は長い結婚生活の中では、まさしく黄金の日々というに
ふさわしいものなのだと思います。
・・・てなわけで、言葉にならない人生の深い思いを代弁
しているなのかも、なんて思ったりします。
ある女流小説家が大先輩に一番大事なこと、言いたいこと
は文字にするなと助言されたそうです。
ため息はあなたの人生で良くも悪しくもなく一番大切なこ
とを代弁してくれているのかもしれません。





















