夫婦愛について

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2023.11.24
家族のコラム

それにしてもなぜ人は、こんな激しい恋に陥ってしまう
のでしょう。東京には空がない、といって死んで行った
狂った智恵子に、光太郎はなぜあんな美しい哀歌を残し、
その生涯を捧げたのでしょう。
光太郎は幸せだったか、そうでなかったか、それはもう
知る術もありませんが、多分、光太郎自身にも分かって
いなかったのかもしれません。
なぜ？なぜ？なぜ？
、、、と人は問います。
答えなんか返ってこないと分かっているにもかかわらず
・・・・・・・。
なぜ？と訊ねると、なぜ？というこたえが山びこのよう
に返ってくる、それがたぶん恋愛なのでしょう。
恋愛は云うまでもなく男と女が惹かれ合う関係です。
それでは結婚とは何でしょうか。
それは恋愛関係ではありません。人間関係なのです。結婚
１年目と３年目，子供ができてからとできる前、そして
１０年目、３０年目、孫ができ、やがて二人ともに老境
を迎えます。
それらのワンシーン、ワンシーンが同じカットかというと、
違います。節目のたびに、あるいは日々少しづつ、
あなたも、あなたが人生を共にする相手として選んだその
人も、変化していきます。お互い様にです。
そうやって積み上げてきたものが、家族であり家庭である
と、思うのです。メモリーは共有されます。ひとりぼっち
じゃない。
そこには試練があり、至福があり，人生があります。決し
て平らな道ばかりではありません。
認知症になった元女優の妻を献身的に看病する俳優の夫。
妻の名（芸名）は南田洋子、夫の名は長門裕之。日活映画
の俳優さんで、もうふたりとも鬼籍です。妻の死後、後を
追うように夫も逝きました。
おしどり夫婦有名人の老々介護と、プライバシーをさらけ
出した勇気ある「美談」・・しかし、全国の女性たちから
異議申し立ての声がわき起こりました。
そりゃそうです、長門って亭主は女好きでつとに名をはせ
ていました。浮いた話には事欠かなかったのですが、それ
も役者の肥やしとばかり妻は責めなかったのです。
そんな特殊事情など一般女性は理解できるはずもありませ
ん。くわえ長門の父親の看護を１５年にもわたってやった
のか、やらされたのか、実子である長門はお任せで、相変
わらず遊びまわっていたらしいのです。
いずれにしろ女優としてのキャリアは家庭に閉じ込められ
てしまいました。亭主より俳優としての格は上でしたし、
諦めか後悔かそれとも・・・彼女としては穏やかな心境で
はなかったはずです。
最後に老いて病んだ元花形女優の姿をあえて世間の目に曝
した。僕も南田洋子ファンの一人として、あの姿を見るの
は忍びなかったのを思い出します。
そのことには思い至らなかったのでしょうか？
迷いや躊躇いはなかったんでしょうか？
相手の気持ちになって考えたことはあったのか、なかった
のか？
ある女性夫婦なんていいこと悪いこと”まるごと愛せない”
と破綻するしかない、という感想を寄せられていました。
そのひと言かなって気もしないではありません。
多分亭主の長門には”愛妻”の心の内はみえてなかったでし
ょう。TVの画面からも、甘やかされた男の自分勝手さが
透けて見えるような気がしました。
女性たちの過激な一般論は、長門の心のうちはよくのぞい
ているが、あえていわせてもらえば、彼女たちにも肝心の
南田洋子の心境は見えてなかったのかもしれません。
見えていないという意味では長門と同類だとも言えるでし
ょう。
元ファンの一人として確信しますが、あの麗しき女性は、
夫を”まるごと”愛していたのでしょう。いいことも悪いこと
も一切合財含めて。
良いも悪いも関係なく、綺麗事でない愛し方で。それだけ
は間違いないような気がします。
だからまるごと愛された、幸せすぎる亭主は”完敗”だった
のです。そして、いくつもの周回遅れで、夫は老い衰え、逝
ってしまったのでしょう。妻の後を追って・・・。
こんな愛し方、あんな愛し方でなきゃだめと決めつけるのも
あなたなら、こんな愛し方、あんな愛し方でもいいと大き
く受け止めれるのもきっとあなたなのでしょう。
熊本の結婚相談所むつみ会は結婚相談所ですから、大勢の
男性女性が出会って新しい人生へと旅立って行きます。
しかし、それはあくまできっかけでしかなく、その後の人生
は二人だけで築いていくしかありません。
私たちとして長い長いかけがえのない人生の出発点にほんの
少しだけ関わったにすぎません。その後のことについては
口を挟むことなど当然できないし、こちらの方から余計な
アドバイスをする気もありません。相談を受けることもあり
ますが、一般論みたいなお答えしかできないし、結局はケー
スバイケースということで、二人だけの問題になります。
何一つ波風の立たない結婚生活なんてまず考えられないこと
ですし、むしろそれを乗り越えることで、お互いに人間とし
て成長を遂げ、新しい世界が広がっていくのではないかと思
うのです。
こうすれば必ずこうなるという型にハマった答えなどまずな
いし手探りで自分だけの答えを見つけていくしかないのだと
思います。