日本の結婚＜トッドさんの予言＞

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日本の結婚＜トッドさんの予言＞

2022.12.7
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エマニュエル・トッドという世界的に有名なフランスの学
者（歴史人口学者）が日本についてこんなことを言ってい
ます。
「あと三十年もすればニッポンという国は大変なこと（悪
い意味で）になるだろう」
他の人ならともかくこの数十年の世界の出来事を予見し予
想してことごとく的中させてきたという人物の言葉ですか
ら、そう簡単に聞きのがせません。
その理由というのは、極端な人口減少と老齢化の進行です。
これが衰亡のサインなのですね。
人口減少はいうまでもなく、とどまることを知らない出生
率の低下です。政治はこの現象を軽く見ているのか、なに
ひとつ対策を講じようとしない、どころかむしろ拍車をか
けるようなことをしています。
出生率が下がっているのは若い年代の就活と婚活が茨の道
になってしまったことと、結婚していざ子どもを産んで育
てるという段になっても教育費の負担が半端じゃないから
です。先行きが見えなくて不安なのです。これから結婚し
ようとして思っている人たちにしてもそうでしょう。結婚
したのはいいけれど本当にやっていけるのかどうか？そん
な漫然とした不安が非婚者を増加させています。
同じ先進国のフランスの出生率が2•0以上（日本は1•３、
一組の夫婦から生まれる子どもの数）なのは、子どもの
いる家庭への経済援助が充実していて、特に教育費につい
ては幼稚園から大学までの公教育については完全無償にな
っているからです。だから安心して子どもを産み育てるこ
とができるし、結婚に対しても積極的になれるわけです。
それに比べて日本では子どもに高等教育を受けさせるのは
大変な経済的負担です。大学は私立はもちろん国立にし
ても、なぜか入学金も授業料もウナギのぼりといったとこ
ろです。私は1949年生まれですが、その年代の国立大学の
授業料が月千円だったのに比べるとナント40倍以上です。
ですから子どもの数が多くなりますと到底負担しきれない
金額になります。
そういうことが若い人の婚活状況に大きな影響を及ぼしてい
るのは紛れもない事実です。年功序列賃金もなし崩しになっ
ていますし、非正規雇用や派遣社員はもう当たり前になって
きています。
せっかく結婚しようと思っても経済的な目処が立たないので、
若い人たちが結婚に対して二の足を踏むことになっています。
こればかりは政治の無策ということに尽きるわけで、私たち
結婚相談所の業界がどんなにジタバタしてもどうしようもあ
りません。
さすがにこれではまずいと思ったのか、公的な結婚相談所が
でき始めましたが、その前に結婚の障害となる社会的な条件
を整備しないことには効果が上がるはずがないのです。
私たち夫婦が子どもを産み育て、結婚して孫ができて、とい
う経験の中でつくづくと思うのは小さい子どもは世の中の宝
物みたいなものだということです。
結婚前は子どもなんかうるさくて嫌いだと言ってた人も、自
分の子ができるや一転して子煩悩になるということはよくあ
ります。自分の子がかわいいとよその子もかわいくなります。
これってホントに理屈抜きで不思議千万なことですよね。
我が家は三世代家族ですから、小学２年の孫（男児）と来春
入学の孫（女児）の友達が毎日のように大勢遊びに来て蜂の
巣をつついたように賑やかです。
騒ぐわ散らかすわでそれはもう大変といえば大変なんですが、
たまに誰もこないとかえって手持ち無沙汰で、誰か遊びに来
ないかなあ、、、なんて。知らないうちに彼らや彼女らから
元気をいっぱいもらっていたんですね。
巷から確かにどんどん子どもたちの歓声がなくなってきてい
ます。そして見かけるのは高齢者の姿ばかり、という状況を
眺めていますと、
「あと三十年もすればニッポンという国は大変なこと（悪
い意味で）になるだろう」
というトッドさんの言葉がすごく真実を持って胸に迫ってく
るような気がするのです。
政治や行政に携わっている人たちにも同じような感想を抱い
ている人もいるのでしょうが、なかなか思い切ったことがで
きない。それが大きな組織の弱みなのでしょう。
、、、なんてことを言ってる場合じゃないような気がします。
百年の大計を見失った国がどうなるかは歴史を振り返れば
わかることです。
むつみ会結婚相談所がスタートした50余年前は適齢期の男
女がそれこそ列島からはみ出さんばかりにいて、結婚相談も
湯気が出るくらいに活況を呈していましたが、あの頃と比べ
る今の状況は寂しい限りです。
一日も早く皆さんが安心して婚活に挑戦できる日が来るとい
いな願う毎日です。