熊本の結婚、我が家① 踊り子

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2022.11.20
未分類

僕たちの生き方そのもの、仕事の要領なども丁寧に手に手を
とって教えてくれる人も場所もありません。だとするなら結
婚だってそうではないかと思ったりするわけです。
いきなり原書にチャレンジするような結婚生活ってのもあり、
かなって思うのです。
そんなことできるわけがないと早合点する前に、まあ、どう
にかなるだろう、他人がやってることなら自分だってやれ
る、くらいな気持ちを持っていた方が、かえって楽に生きれ
るような気もします。
さて、そういうわけで私たち夫婦の結婚生活の物語はほとん
どが同じ一つの屋根の下で営まれてきました。三世代同居と
いう形ですね。
今時ではとっても例外的な結婚生活のあり方ですし、またあ
まり良い印象で語られていないので、結婚する前の人たちに
も結婚した後の人たちにも敬遠されがちです。でもそんな芳
しくないイメージというのは食わず嫌いという一面があるの
も事実であるように思います。
女性は否応なしに男性側の「家」に嫁入りして、こき使われ
た上、舅や姑のお気に召さなくなれば一方的に追い出される
というような戦前の理不尽な制度の後遺症があります。
戦争が終わると、結婚は両性の合意のみにおいて成立すると
いう法律になりました。それは当然の成り行きであったと思
いますが、もちろん結婚当事者二人の合意において相手の
（夫または妻の）の親と同居することを禁止している訳では
ありません。
世はまさに少子化の時代へと突入し、多産の時代と引き比べ
ますと断然、三世代ができるだけ仲良く一つ屋根の下に生活
する方が無理がないような気もしてきます。
結婚生活そのものも正直言って結婚してみなければわからな
いところが沢山あります。恋愛は恋人同士がお互いを向き合
って眺めていますが、結婚生活は違います。結婚生活とは、
夫婦が同じ方向を見て生きていくことだと言えます。目に映
る風景が全然違います。子どもが生まれたりしますとまた大
きく違ってきます。
結婚前の独身時代の生活スタイルや趣向や価値観に結婚した
後もこだわりすぎると、お互いに衝突を繰り返して、お互い
を理解し、労わる習慣ができる前に破綻するということにも
なりかねません。実際にいわばそういう初歩的な手違いで、
なんとなく結婚離婚を繰り返すと例が後を絶たなくなってい
るような気がします。
それは別の言葉で言えば、”我”を押し通すということにもな
るのでしょうかね。
ある女性が、、、、
”夫婦なんていいとこも悪いこともまるごと愛せない”
と破綻するしかない、という感想を寄せられていました。
ベテラン夫婦ならではの説得力に溢れたご意見かなと思い
ます。
”いいとこも悪いとこもまるごと愛する”
なんていう気持ちのあり方は、結婚して苦しいことも楽し
いことも共に分かち合った仲でなければ決して理解できな
いものだと思います。
結婚するまでは相手に自分の素敵な面だけしか見せない
し、相手だってそうです。偶にしか会わないからそれで通
用します。でも現実の結婚生活となればそうはいきません。
結婚生活をいわば、振り子のようなものでしょう。いいこ
とや楽しいことばかりではありません。嫌なこともあるし
悲しいこともあります。お互いが生身の人間同士である限り
仕方のないことですし、避けては通れない道です。
でもそんないろんなことも振り子のようなもので、左右に
ぶれては真ん中に還ります。右端は楽で、左端は苦かもしれ
ません。
では、真ん中とはなになんでしょうか。大きな自然の力が
働く「点」なのだと思います、、、万有引力です。そして世
界があるのでしょう。結婚とはそういう世界の中のなくては
ならない一点景です。
支点から左右の端が遠ければ遠いほどそこには力が宿ります。
踊り子は爪先立ちで踊りますが、振り子は大きなチカラに
ひたすら身をまかせて踊ります。いつもいつも爪先立ちで踊
っている踊り子は結婚前のあなたではあっても、結婚後のあ
なたではないでしょう。
「どん底が、私に自由をあたえ、私に自分自身をめざめさ
せ、本質という基盤の上に立たせた」
そうj.Kローリングズ（あのハリーポッターシリーズの作者）
は述懐しています。私の大好きな言葉です。
苦しい経験が、あなたに自由を与え、あなたにあなた自身を
目覚めさせた、、、なんて、たぶんわかる人には胸に刺さっ
てくる言葉です。そして彼女はこどもたちをわくわくさせる
物語を創りました。
また天才的数学者である岡潔さんはこんなことを言っていま
す。人間の真ん中を通っているのは、「自然」であると。
そして、才能とは自然との回路なのだと。自然の叡智に敵う
ものなどないのだと。
つまり年老いてお互いを労わり合う素敵な老夫婦の姿は自然
に祝福されている姿なのかもしれません。
そんな世界があるなんて結婚する前には思いもよらなかった
ことだと思います。