キレイ好きな人と掃除好きな人と、それからどっちでもない
人がいます。
どっちでもない人はむろん野郎どもに多くて、オトコ所帯に
蛆が湧くことになります。
キレイ好きと掃除好きは一緒じゃないかという人もいるでしょう。
でもこの二つは似ているようで実は異なるのです。
散らかさないでね、掃除する身にもなってよね、というのが
キレイ好きで、よく散らかしたわねえ、掃除し甲斐がある
わ、というのが掃除好きです。
そこでです、、、例によって話は飛びますが、
もし、キレイ好きな国と、掃除好きな国が
あるとしたら、あなたはどっちの国に住みたいと思います
か？
その前に今私たちの住んでいる日本という国は、どちらだと
思いますか？答えは、、、キレイ好きな国、、でしょう。
個人的な感想を言わせて貰えば、息が詰まりそうなくらいキ
レイ好きな国になってしまいました。
昔は確かにそうではなかった。他の国にくらべればそうで
しょうが、神経質なほどではなかった。
道路にチリ一つ落ちていない、というくらいならまだしも
ですが、ミステイクは絶対に許さないというムードがシャバ
に蔓延してくると、これは問題だなと思うわけです。
特に僕みたいな、好い加減というか、万事にアバウトなタイ
プにとっては時々針の筵に座っているような気にさせられる
ことがあります。
まあ、少しくらい後ろ指さされるような羽目になっても、
年の功ですか、一向に気に病まないようにはなりましたけ
どね。
その代わり、人の失敗や欠点に対しても、テキトーでいちい
ち目くじら立てるようなことも少ないような気がします。
それが気に障って仕方がないという人もおられるようですけ
どそんなことは知ったこっちゃありません。
最近、六法全書をそのまま下手くそに人のカタチにしたよう
なタイプがめにつくようになった気がしますが、いかがでし
ょう。
いうことなすことが六法全書を開けばわかるようなことばか
りなので、僕としては、なんだよオモシロクねえなというこ
とになりがちです。
そんなままで歳食って老ぼれて何が楽しいんだとつい憎まれ
口をたたきたくなります。いやマジでそう思います。
もっと肩の力を抜きなよ、と言いたくなります。あれはホン
トは苦しいんだろうなと他人事ながら気をもみます。
こんなのが多分万病の元になります。僕くらいの歳になると
みんななにやかやとビョーキ持ちで、なんかわけのわからな
い薬の効用で延命しているだけのように見えます。
周りの人たちだって長生きしてくださいねというのは多分口
先の話で、ホンネはファストに長生きしてね、くらいのことで
しょう。
なんだかいろんなものが偽りの仮面をかぶって動いているか
のような気になることが多いのです。
そういうわけで僕としてはせめて掃除好きな国があれば、脱
出したくなることが度々あります。
僕と妻は結婚して四十年くらいになりますが、その四十年を
かえりみれば、そうですね、絵画にたとえてみれば、一向に
完成しないラフスケッチのままの年月だったような気がしま
す。子供の育て方も確かにラフスケッチでした。だいたい子
供なんてものは教育するものじゃなくて、勝手に育つものだ
と思っていましたから。
冒頭のたとえで言えば、キレイ好きではなく、掃除好きの
方だったでしょう。見事なくらい紆余曲折に彩られた夫婦と
家族の歴史だったようですが、キレイ好きでなく、掃除好き
だったから今まで続いたような気がします。
所詮は人間のすることだから、汚れたり散らかったりするの
は当たり前で、その都度キレイにすればいいではないか、
というような、他人からみれば無責任のような、みょーちく
りんな開き直りがありました。そのうちに掃除の仕方もだん
だん巧みになってきたような気がします。
世界の歴史を見てみますと、どの国にも黄金の時代というの
があります。そうして全盛期になった時こそが要注意です。
衰亡の足音が音もなく忍び寄ってきているのです。
なぜかといえば、パーフェククトになろうとするあまり、失
敗を怖れすぎるようになるからなのだと思います。
今日本という国では、というよりおよそ経済先進国と言われ
ている国では、せっかく結婚しても、離婚の一度や二度は当
たり前になってきています。
どうしてそう簡単に破綻するのかといえば、キレイ好きにな
りすぎているからではなかろうかと思います。
ちょっとでも汚れが目立つようになると、ああ、この結婚は
失敗だったと嘆くようでは、そりゃ長続きするはずがないわ
けです。何回やり直しても同じことの繰り返しになるかもしれ
ません。
そういうわけでアドバイスめいたことを言わせていただきます
と、キレイ好きな国や家庭ではなく、掃除好きな国や家庭へ
と少しばかり頭の切り替えを心がけたらいかかでしょうか。
子供との接し方や交友関係にしても、そちらの方がずっと
お得なきがするのですけど、、、、。