郵便受けを見ると、葉書が一葉。絵葉書?いや写真葉書です。
会員さんのどなたかが旅先から送られたのかなあ、春爛漫だ
もの、いいよなあ、僕たちもどこか行きたいけど、もう随分
ご無沙汰してるようなあ、、、なんてね。
そこには、ゼロ歳児の赤ん坊をカメラに向けて抱っこしたお
父さん?と、傍らには満面の笑みをたたえたお母さん?の
写真入りです。
確かに、そう、確かに、お二人とも見覚えのある顔です。見
覚えのある、、、、ええと、さてと、うう〜む。
背景には畑が広がっていて、周りの様子ではどうも山の中ら
しいし、つなぎの作業着に野良着だし、頭には麦わら帽だし、
足元はゴム長であるし、、、、農家だよなあ、どっからどう
見たって。農家の知り合いで、うら若いご夫婦といえば、、
三年ぐらい前に結婚された、あのご夫婦は確か有機農業かな
んかやってらして、ぜひ、自分たちの新生活を見学に来てくだ
さいってんで、お伺いしたことがあったっけ。
ナルホドね、なんて、ちょっと感心したね。だってね、自分た
ちで、いや正確にはほぼ自分たちで、ケッコー立派なマイホ
ームを立てられたんだもん。(むき出しの)丸太組みだけど、
外壁も内装も、もうそりゃ立派なもんで、建売住宅なんかが
安っぽく見えそうな、独特のどっしり感みたいなもんがあっ
て、それになんかすご〜く開放的な感じ。
見るからに分厚そうな、といいますか、頑丈そうな板敷きの、
天井の高い居間から開け放たれた庭、、、いえ、庭という形
容はあまり似合わない、要するに空間みたいなところは、一
応は雑草は刈ってあるみたいだけど、土の匂いがするような
遊びのスペース。
柿とか梅の木なんかが青い葉っぱを茂らせてるし、夏になった
らセミの合唱とかが煩いくらいだろうなあ。モグラなんかも
ちょくちょく、土の中からコンチワなんて。
ふと見ると、奥さんのお腹がデカかった。なんでももう直ぐ
待望の第一子が誕生予定とか。それでか、柿の木の枝から手
作りのブランコがぶら下がってるし、ゆりかごみたいなのも
あるし、その日を今か今かと心待ちにしてる雰囲気がありあり。
、、、ええと、そうだった、そんなお話じゃなかったっけ。
長い寄り道になってしまいした、そろそろ本題に戻ってと、、
そうそう、絵葉書、じゃなかった写真葉書の一件でした。
写真の下の方に、綺麗な肉筆で文字が並んでいます。
「長女生まれました。ただ今六カ月です。五年目の結婚記念日
を期にお世話になった皆さんにお礼方々、ご報告です。」
そのあと追伸となっていて
「御覧の通り、今二人とも勤めを辞めて山の中で農業をやって
います。妻共々永年の念願だった職業です」。
勤めを辞めてって、こともなげに書いてあります。それでか、
一瞬面食らったのも当然というわけです。
しかし、しかし、とすると、このご夫婦というのは、、、、
あの人と、それからあの人?まさか、、、もうスッカリお百姓
さんの顔になりきってるし、そりゃ誰だってすぐにはピントは
こないはずだよ。
それに、転職、転身といったって、落差が大きすぎ!
だって二人とも一流大学出身だったし、一方は大学の先生で、
他方はエリートサラリーマンだったんですから。要するにそう
いう風なカップルであったわけですからねえ。絵に描いたよう
な選良カップルだったわけですからねえ。
それからというものしばらくは、妻と一緒にその話ばっかり。
たまげたねえ、というセリフを何回繰り返したことか。
、、、てなことで、この珍しいカップルのなれ初め話をご披露
してしいきたいな、と思うわけです。まあ、出会いからして、
強烈に印象的で、忘れがたいものだったのです。
(続く)
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