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愛は“与える力”のかたち
「愛ってね、言葉や形じゃないのよ。ある一つの状態なの。発散する力のあり方なの。求める力じゃなくて、与える方の力を全員が発散しないとダメなの。でないと家の中のムードが飢えた狼の巣みたいになっちゃうの」
──吉本ばなな『アムリタ』より
この一節には、愛の本質が見事に表れています。
「与える力」としての愛が家庭を支え、人間関係を豊かにする。それが欠けたとき、家庭は“飢えた狼の巣”のような空気になってしまう。これは、結婚生活においても見過ごせないポイントです。
不運や不幸が家庭を壊すとき
人は苦境に立たされると、どうしても「理解してほしい」「支えてほしい」と求めてしまいます。私自身も、家族も、そんな気持ちを何度も経験してきました。
けれど、そうして“求めるばかり”になってしまうと、まず最初に壊れてしまうのが「家族」なのです。もっとも大切にすべき存在が、いちばん傷つきやすくなる。これは、結婚相談所で数多くのご夫婦を見てきた中でも強く感じていることです。
「恋愛」と「結婚」に潜む、奪う愛と与える愛
恋愛は本来、「与える愛」から始まるものです。ところが心が不安定になってくると、それが「奪う愛」へと変わってしまう。
有島武郎の言葉に「愛は限りなく奪う」がありますが、まさにその通り。
別れが訪れたとき、「捨てられた側」は自分を愛してくれない人を一人失うだけ。でも、「捨てた側」は、自分を愛してくれていた人を失うことになるのです。この差は、じわじわと人生に響いてきます。
家庭も社会も、与える力が支えている
この話は、家庭に限らず社会全体にも通じます。
「世の中ってね、言葉や形じゃないのよ。ある一つの状態なの。発散する力のあり方なの。求める力じゃなくて、与える方の力を全員が発散しないとダメなの。でないと世の中のムードが飢えた狼の巣みたいになっちゃうの」
愛を「与える力」として持てる人が増えれば、社会はもっと穏やかになるでしょう。
団塊世代の反省と、生存競争の中で
私は団塊世代です。経済成長の原動力になった一方で、過密な競争社会を生み出してきました。自分のことを「ゴキブリ世代」と揶揄することもあります。
養老孟司さんは「ゴキブリが嫌われるのは、動きが読めないからだ」と言いました。これは私たち世代にも通じます。要領がよく、悪知恵に長け、生き残る力にあふれていた。
そんな我々に対して、まっすぐな“一途なタイプ”もいます。純粋でまっすぐな愛を持ち、でもそれが時に暴走してしまう。結婚においても、恋愛においても、この2タイプのバランスがとても難しいのです。
「部分最適」ではなく「全体最適」を見る目を
自分に都合のいい情報だけを信じ込んでしまう「部分最適」な人が増えています。それに対し、周囲を思いやりながら全体を見る「全体最適」の人は少なくなっているように感じます。
結婚は、ふたりで一つの家庭を築く「全体最適」の営み。だからこそ、自分の思いだけでは成り立たないのです。
「愛」はときに心を蝕む──けれど、与えることで癒える
「愛」は素晴らしいものですが、裏返せば諸刃の剣でもあります。与えることで人を癒す力がある一方、求めすぎれば相手を傷つけ、自分自身も疲弊します。
ストレスが免疫力に影響を与えることも科学的に知られています。免疫細胞である「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」は、心が安定していると活性化するそうです。逆に、不安が続くと免疫力が下がり、心も体も不調に陥ります。
愛と結婚のかたちは、やっぱり「与える力」
現代社会は、忙しさとストレスの渦の中にあります。だからこそ、結婚という人生のパートナーシップにおいては、「与える力」がますます重要になります。
私たち熊本の結婚相談所むつみ会では、54年以上にわたり多くのカップルを見守ってきました。その中でわかったことは、「相手を求める」よりも「相手に与える」ことで、結婚はより長く幸せに続くということ。
結婚とは、感情のバランスを取りながら、お互いに「与え合う」ことで築かれるものなのです。
熊本で婚活をお考えなら、むつみ会へ
熊本の結婚相談所むつみ会では、あなたの「与える愛」を育てながら、ぴったりのご縁を探すお手伝いをしています。ひとりでは難しいと感じたとき、どうぞ私たちを頼ってください。
「愛する」ではなく「与える」から始まる結婚を──
あなたの運命の出会いが、ここにあるかもしれません。