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恋愛か?お見合いか?そんなことはどうでもいい
恋愛がいいのか、お見合いがいいのか──
最近よく思うのです。実はそんなことは本質じゃないのではないかと。
というのも、私自身と妻との出会いも、そもそもが親の勘違いから始まりました。そこから一年にわたる大恋愛へと発展したのです。
それまでにも女性を好きになったことはありましたが、ここまで心を揺さぶられるような「ホットな恋」は、これが初めてでした。
理想の相手なんて、実はあてにならない
よく耳にするのが「理想の男性」「理想の女性」といった話。
でも、私は思うのです。そんなものは、実際に出会ってみるまでわからないと。
まだ本当に素敵な異性に出会っていないから、頭の中の「理想」を追いかけてしまう。
ところが実際に「この人だ」と思える人は、頭で描いていた理想像とはまるで違う──
そんなことが、実際の現場ではよくあるのです。
頭でっかちになると、赤い糸は見えない
出会いとは、一期一会です。
そして本当に人生を変える出会いは、条件や理屈を超えたものです。
ときには、プロフィールも写真も見ずにお見合いをされる方もいます。
「先入観をゼロにして、白紙の状態で相手に会いたい」と言うのです。
これがまた、不思議と良縁に繋がるケースが多い。
実際、私たちが「奇跡のカップル」と呼んでいるご成婚者たちは、そんな偶然から生まれています。
「イチゴが一円?」小さな誤解が導く縁
余談になりますが──
先日、妻と「出会いの奇跡」について語り合っていた時のこと。
小一の孫、ハルくんが横からこう言いました。
「え〜ジイジ、バアバ、一円でイチゴが買えるの?」
……もちろん、そんなわけはありません(笑)。
その後、ハルくんと近所の八百屋さんにイチゴを買いに行くハメに。値段はしっかり290円でした。
人生を一変させる出会いは、計算では起きない
私たち結婚相談所が目指しているのは、「その人に出会える場所」をつくることです。
でも、こればかりはキャリアや経験だけでなんとかなるものではありません。
ときに、ほんの小さなきっかけや思いがけないタイミングで、人生を根底から変える出会いが訪れます。
ある人は、「この人に会って初めて本当の自分を見つけた」と言います。
誰かと話し、見つめ合い、耳を傾け合う──そんな奇跡のような時間を体験するのです。
平凡なふたりが、奇跡の夫婦に変わるとき
それは、美男美女のカップルとは限りません。
見た目はごくごく普通のおふたりが、初対面で涙が出るほどの何かを感じた──
そんなお話は、実際にあるのです。
そして彼らは今、とても穏やかで素敵な家庭を築いていらっしゃいます。
15年の愛を胸に。再婚を断ったOさんの話
最後にひとつ、印象深いご夫妻の話を──
ご成婚から15年目、ご主人が病で他界されました。
それから数年後のある日、Oさんが娘さんのお知り合いを連れて、久しぶりに相談所を訪れたのです。
私が何気なく「Oさんご自身の再婚は考えていらっしゃらないんですか?」と伺ったところ──
「いいえ。亡くなった主人との15年が、私にとって宝物でした。
思い出すだけで胸がいっぱいになります。
この気持ちのまま再婚しても、相手の方に失礼だと思うんです」
その表情には、寂しさよりも深い愛と感謝があふれていました。
時代は変わっても、こんな夫婦の姿は、まさに人が生きる上での宝物だと私は思うのです。
💬あとがき:本当の出会いは、条件ではなく“縁”で決まる
「結婚は条件じゃない。出会いなんだ」
この言葉を、私は幾度となく目の前のご成婚者から教わってきました。
結婚相談所というのは、プロフィールや条件を並べる場所ではなく、
奇跡のようなご縁が始まる場所でありたい。
そんな想いで、今日も私はこの仕事を続けています。