<亡き母の思い出>
由美子のブログ
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今はない(義)母が元気だった頃のエピソードです。
ある昼下がり一人の女性がご相談にいらっしゃいました。しばらくよもやま話などされているうちに、一身上の打明け話のような風になりました。
この仕事というのは、なにしろ商品を扱うようなのとは違って、相手は生身の人間で、大切な人の心や人生に向き合わなければなりません。生きるというのは大変なことなんだな思うこにと度々出会うのです。
母はそういう時、とても聞き上手になりました。女性の話は段々と熱が入ってきました。そしてハッと気がつくと、彼女だけでなく、母の目にも涙がいっぱい溜まっていました。
びっくりしました。人のために一緒になって泣くなんて、私にはとてもできないことでしたから。
「本当にねえ、随分苦しい目にあってきたんですね。でもその体験はあなたにとって、プラスにこそなれマイナスにはなりませんよ。いや、しっかりとあなたの肥やしになっています。苦あれば楽ありで、きっと素晴らしい幸せが待っています。そう私は信じています。」
それから十数年も経ったある日のこと、女性の息子さんという方が見えられたのです。思いもかけないことでしたが、即入会され、素敵な女性と出会われました。今おばあちゃんになったその女性は、可愛い孫と一緒に幸せに過ごされています。
その時にはもう母はこの世にはいませんでしたが、どんなに自分のことのように喜んだことか、そんな姿が目に浮かぶようです。
亡き母の思い出
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