目次
テクノロジーが加速しても、人間の心は追いつけない
国が、資本が、テクノロジーが、凄まじいスピードで成長を続けています。
それらの成長曲線は、まるでロケットのように一直線です。
でも人間は、そうはいかない。
モノの進化は直線で測れますが、人間の心はそう単純ではありません。
**人間の心の成長は「曲線」**でしか測れないのです。
どれほど合理的な「筋書き」を用意しても、そこに人間を当てはめようとすればどこかで無理が生じる。
私たちは筋書きに沿って生きているのではなく、自らの手で筋書きを紡いでいる存在だからです。
結婚とは、最初の“自分たちの筋書き”を書くこと
家族もまた、国家や市場のような「大きな力」に巻き込まれる存在です。
けれど、その中で唯一、自分たちの意思で形を選べるものがあるとすれば、それが結婚ではないでしょうか。
筋書きどおりにいかないのが人生です。
最初は愛し合っていた二人も、いくつもの坂道を登り、下り、時には谷底に突き落とされるような日々を迎えることもあるでしょう。
でも、だからこそ結婚には意味があります。
人間は順境にも逆境にも「慣れる」ことができる生き物です。
肉体の中に心という曲線を抱えているからこそ、強くなれる。
私たちの原点――父と母がはじめた相談所
熊本で「むつみ会」を立ち上げた私の両親は、戦争という激動の時代を生き抜いてきました。
家も何もかも焼け、希望もない中で、それでも人は結婚し、家庭をつくっていきました。
そういった人生の積み重ねの上に、いま私たちがあります。
皮肉な話ですが、世の中が豊かになるほど、結婚はむずかしくなっているように思えます。
筋書きに自分の人生を当てはめようとするあまり、現実に違和感を抱いてしまうのです。
それが、結婚しない選択や、離婚、家庭崩壊の背景にもなっているのではないでしょうか。
「ありがとう」と言える相手に出会えたか
映画『万引き家族』で、樹木希林さんが演じた初枝が、最後の場面でつぶやいた言葉。
字幕でしか分からないほど小さな、でもとてつもなく大きな言葉。
「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・し・た」
それは、演技ではなく、生きてきた人生そのものがにじみ出た瞬間だったように感じます。
血の繋がりがなくても、人は人とつながろうとする。
孤独な者同士が、寄り添い、支え合い、疑似家族として生きていく。
その儚くも美しい営みに、「家族とは何か?」という問いの、ひとつの答えがあるのだと思います。
家族は、救いにもなるし、束縛にもなる
家族がいるから助けられることもあります。
けれど、家族がいるからこそ苦しむこともあります。
それでも、やはり人は誰かと生きていきたいと願うものです。
この時代、家庭という最小の共同体こそが、人の心の居場所になるのではないか。
利害でなく、効率でもなく、ただ「利他の心」でつながる場所。
それが家庭であり、結婚の原点ではないかと思うのです。
人はなぜ生まれ、どう生きるのか?
あなたという人がこの世に生まれてきた以上、避けて通れない問いがふたつあります。
-
人はなぜ生まれてきたのか?
-
どのように生きるべきなのか?
その答えが、もしかしたら**「ありがとう」と言える誰かと出会うこと**なのかもしれません。
むすびに
人生は、いつも想定外です。
どんなに準備しても、思い描いた通りには進まないことの方が多い。
それでも、あなたのそばに「ありがとう」と言える誰かがいるなら。
そして、自分もまた「ありがとう」と言ってもらえる誰かになれたなら。
そのとき、人生はきっと、意味のあるものになる。
熊本の結婚相談所「むつみ会」は、そんな出会いを大切にしています。
それは単なる成婚のためではなく、**「人生をともに生きる人との出会い」**をサポートするためです。