目次
“青春”から“人生”へ
“青春はこわれもの 愛しても傷つき
青春は忘れもの 過ぎてから気がつく”
後ろを振り返ると、私は“青春”を“人生”に歌い替えている自分に気づきます。つまり、じいじがいたということです。
そして、ばあばもそうだったのかもしれません。
“人生はこわれもの 愛しても傷つき
人生は忘れもの 過ぎてから気がつく”
秋がノスタルジーをかきたてるのは、季節が冬へと下ってゆくからでしょうか。
並木道のプロムナードに銀杏の絨毯が敷きつめられると、冬空がやってきます。
“青春はこわれもの 愛しても傷つき…”
若い時にはどうしてもこうなってしまうものですね。でも、年齢を重ねてくると、感じ方が変わります。
傷つくのはフラれた方だけではない
傷ついて壊れてしまうのは、フラれた方だけではないかもしれません。
実は、フラれた方ではなく、振った方が傷つくことの方が多いのです。
なぜなら、フラれた方は自分を愛してくれない人を一人失っただけですが、振った方は自分を愛してくれる人を永遠に失ってしまうからです。
フラれた方が、時間が経って自分を愛してくれる人が現れた時、その感激は涙ぐむほどでしょう。
おそらく、一緒に乾杯でもしたくなるかもしれません。
自慢することのない“フラれたことがない”という話
時々、「自分は今までフラれたことがない」と自慢げに話す人がいますが、正直言って、それは羨ましいというより、むしろ可哀想だなと思うことがあります。
本当にそうなのかも疑わしいところですけれども。
“愛している”と“好き”の違い
映画『シェナンド河』にこんなシーンがあります。
十年以上前に奥さんを亡くした牧場主のところに、ある生真面目そうな青年がやってきて、「あなたの娘さんとの結婚を許してください」と言います。
牧場主は青年にこう尋ねます。
「君は私の娘が好きか?」
青年は答えます。
「はい、心からあなたの娘さんを愛しています。」
牧場主は続けます。
「いや、愛しているかどうかを訊いているんじゃない。好きかどうかを訊いているんだ」
青年は内心で思います。「このおっさん、何を言ってるんだ?」
牧場主は言います。
「私は妻と結婚したとき、妻を好きだったが、愛してはいなかった。そして八人の子を育てた。妻が亡くなってもう十年以上になるが、私は今も妻を愛している」
牧場主は「愛してる」という言葉の重みを伝えたかったのでしょう。
「愛してる」というのは簡単に言えることだが、日々が経つにつれて色あせ、吹けば飛ぶようなものになるかもしれません。そんなものは本当の“愛”とは言わない、と牧場主は言いたかったのでしょう。
いろんな試練を共に乗り越えた結果、互いにお互いがかけがえのないものになっていく。その過程が本当の愛だと、牧場主は語りたかったのです。
父の最期と母の言葉
私の父は、熊本の結婚相談所むつみ会の設立から二年ほどで亡くなりました。
自宅の居間で、家族に見守られながら静かに息を引き取りました。そのほんの少し前に、母がふと一言、「ごめんね・・・」と呟きました。
「ごめんね」という言葉が何を意味しているのか、私には分かりませんが、きっと二人にしか分からない万感のこもった言葉だったのでしょう。
そして父は、「ノーノー」と、なぜか外国語で答えました。それが彼の最期の言葉(符牒?)となりました。
その短い会話が、今でも私の心に鮮やかに残っています。親子でさえ永遠に理解できない、短い夫婦の最後の対話。
良いところも悪いところも、甘いものも苦いものもすべてを飲み込んだような、不思議な心の領域。それが長年連れ添った夫婦の愛情ではないかと思います。
結局、一番大切なことは言葉にはできないのかもしれません。
父の変化と家族の歩み
私の知っている父親像は、家業の倒産後、すっかり元気を失った後ろ姿ばかりでした。
戦時中、大陸で財を成したらしいのですが、戦後に始めた事業が倒産。その後は運命に見放されたかのような半生を送ることになりました。
私が小学校に入学した後から、家族の生活は一変し、不遇な日々が続きました。まさに赤貧洗うが如し。
その中で、母は家計を支えるために、見事に男まさりの女性へと変貌していきました。
人の生活は、激変するときに良くも悪くも変わります。姉や兄たちも変わりましたが、一番変わったのは私だったようです。
どうして「らしい」かと言うと、私はその頃の記憶が全くないからです。まだ六歳だったので、覚えていないのは当然ですが、両親の立場からすれば、それが一番切なかったのでしょう。
私がその立場に立ったなら、きっと同じように感じるだろうと思います。
(その2に続く)
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