ある心理学書から抜粋、、、、
【父性原理】 【母性原理】
・
①機能　　　　　　　　
　　切る 　　包む
②目標　　　　　　　
　　個人の確立 場の所属(お任せ)
　　個人の成長 場への平衡状態の維持
③人間観　　　　　　
　　個人差・能力差の肯定 絶対的平等感
④序列　　　　　　　
　　機能的序列　　　　　　絶対的平等感
⑤人間関係　　　　　
　　契約関係 　　 一体感(共生感)
⑥コミュニケーション
　　言語的 　　非言語的
⑦変化
　　進歩による変化 再生による変化
⑧責任　　　　　　　
　　個人の責任　 場の責任
⑨長
　　指導者 　　調整役
⑩時間　　　　　　　
　　直線的　　 　円環的
・
ちょっと難しいですが、思うのはやはり人間は結婚して
一人前なのかなということでしょうか。結婚しないとど
こかで一人の人間としてものたりないものがあるような
気がします。そりゃせっかく結婚しても別れることだっ
てあるでしょう。それはそれで致し方のないことです。
でも、全然結婚生活というもの夫婦の情愛というものを
大なり小なり経験することは、結婚そのものをする前に
あれこれと考えすぎて、一生独身を通すよりもずっと得る
ものは多いと思います。
少なくとも僕の場合は（妻もそうだと思いますが）切実に
そのことを感じます。僕も妻もずいぶん変わったよねと二
人でよく語り合います。いい方に変わったなどとは一口に
いえないでしょうが、人としての精神的な許容量みたいな
ものは確かにできたように思います。
男性的なものと女性的なものが一つになってはじめてバ
ランスのとれた一個の人格が形成されるような気がします。
お互いが対立しているようにもみえますが、それはお互い
に生来欠けているものを相手が持っているということにも
なります。それは知らない同士が結婚して日常を共にする
ことで気づくことができるのではないかと思うのです。
もし気づかないような男女であれば結婚しない方がいいの
かもしれません。たぶん自分の思い通りにならなくて喧嘩
したりイライラしたりの毎日にしかならないでしょうから。
生まれた子どもの側から見ますとこの表のように問題は父
性原理と母性原理ということにシフトしてきます。
この父性と母性の間で子どもたちは否応なく育っていきま
す。どちらかだけというのはやはり苦労が多いような気がし
ます。子どもも親もそうだと思います。
経済的にもそうですが、それよりも精神的な意味において
より実感することが多々あるような気がします。
①の機能という点から見ますと、父性原理は「切る」に対
して母性原理は「包む」ということになります。
いかかでしょう、あなた自身が子どもだった頃を思い返して
見ますといろいろと思い当たることがありませんか。
もしあなたが何らかの理由でつまづいた時、ちょっとグレた
とか学校の成績が落ちたとか、いじめにあって不登校になっ
たり、閉じこもってもってしまった時なんかに頼りになるの
は父親より母親です。そういう時には父親の説教より母親の
理屈抜きの温かい愛情がなくてはならないものとなります。
子どもだって順調な時だけじゃありません。たとえその気が
なくとも落ちこぼれたり、落ち込んだりすることは必ずあ
ります。そうやって回り道をしながら人は成長していくもの
だと思います。むしろまっすぐに寄り道なしに大人になる子
どもの方が少ないでしょう。すくすくと一直線に育って欲し
いというのが一方の親心かもしれませんが、同時にそれは親
のエゴであるとも考えられます。
僕の経験から言えばうまくいかない時ほど人間が大きく飛躍
できるチャンスのような気がします。
ずっといい子であるに越したことはないでしょうが、なかな
かそうは問屋が卸しませんし、無理にいい子を演じ続けるの
も後日たいてい反動が来がちです。
そういう時父親は結構簡単に子どもを見放しがちです。この
子はモノにならん、なんて。でも母親は絶対に見放しません。
出来の悪い子ほど可愛いというのは母性原理なのだと思いま
す。会社で出来の悪い社員は情け容赦なくクビにされるよう
なものです。そうなりますともう一生立ち直れない人間にな
ってしまうかもしれません。立ち直るにしても、一旦私はダ
メだと思い込んでしまうと予想外の時間がかかってしまうも
のです。あの子はいい子だが、この子はわるい子だと親が決
めつけてしまった時が運の尽きだと思ってもいいでしょう。
それにどんな子だって必ず素晴らしい可能性を秘めているも
のですから、それを見いだし、伸ばしてやる手助けをしてや
れるのは父性と母性の共同作業になると思います。
調子の良い時はほっぱらかしていてもいいです、自分でやっ
ていけますからね。でもうまくいかない時はそうはいきませ
ん。他人の助けが必要な時だってあるのです。
そういう時の対処のしかたから、夫である父親は妻である母
親から学んでいくのだと思います。
父親は断固として甘やかしてはダメだの一辺倒ですが、そうい
う時こそ大きく包んでくれる母親の懐が必要だと思うのです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（続く）

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