日本の結婚と結婚相談・ AI

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2022.10.24
未分類

自分さえよければとお互いに考えていたら、たとえ結婚した
としても長続きするはずがないし、ステータスがなくなった
ら後には何も残らないというのではあまりにも虚しすぎます。
そういう風潮が色濃くなってくると、金持ちは結婚する必要
はないし、貧乏人は結婚できないということにもなりかね
ません。
非正規労働を余儀なくされている人は結婚を諦めるしかなく
なります。世の中の中間層がいなくなって結婚できない人が
激増していきます。
そうなりますと結婚相談所は増えていくのでしょうが、結婚
そのものは決まらなくなります。非婚者は増え続け、結婚し
ても離婚する人が増え続けていきます。無論出生率は低くな
り、若い人が少なくなります。
結婚して家庭を持ち子供を育てるという文化が世の中からな
くなっていくのかもしれません。
問題は結婚という問題だけには止まらないと思います。人間
はどうあるべきかという難しい問題にもなってきます。そこ
に住んでいる人たちの意識とか行動のパターンとか常識とか
が変わってきますと、世の中そのものが変わっていきます。
結婚相談所の立場から考えてみますと、結婚相手の選び方が
とても表面的になってきて、人間不在のような傾向が強く出
てくるような気がします。
どんなにAIの時代が進んでも、もちろんコンピューターが人
間化することはありません。ある程度はAIが人間の労働の代
わりをするようになっても機械はどこまでいっても機械でし
かありません。
仮に人間を機械にたとえてみると、これほど霊妙なものはあ
りません。いうなら神様がこしらえた機械が人間であって、
人間がこしらえた機械であるAIはどこまでいっても敵うはず
がないのです。ロボットはあくまでロボットであってそれ以
外の何物にもなれるはずがありません
ある詩人は、人類はずっと孤独だったと謳いました。そして
愛の対語は憎しみでなく孤独、だから人は万有引力のように
愛を求めるのだと、、、、。
人を愛したりとか、愛し愛されない虚しさや寂しさとかは人
間にとって本質的なものだと思われます。もし身近にそんな
感情を一切持たない人がいると想像してください。薄気味悪
いと思いませんか？
むかし中国の宮廷には皇帝の大勢のお妾さんのお世話をする
宦官（かんがん）という男性の吏員たちがいました。彼らの
生殖器官は切除されていました。もちろん結婚することなん
て想像することも許されません。
彼らはどうなったかと言いますと、権力に異常に執着するよ
うになりました。権力を握るためならどんなに冷酷なことだ
ってするようになりました。
女性に愛情を抱いたらいけないからです。愛情を抱いたら苦
しむしかないからです。それでも生きていくしかないとした
らそういう風になるしかないのでしょう。人を愛するがゆ
えに苦しむことも多いですが、人を、特に女性を愛してはい
けない、結婚の対象として考えることなどトンデモナイとい
うことになると、そんな風になるというのはすごくうなづけ
るような気がします
AIの中に愛情を組み込むことも、あるいはその逆に嫉妬とか
憎しみとか、寂しいという感情を持たせることも不可能です。
それと同じようなものなのでしょう。
AIがチェスのチャンピョンになったり、下手な翻訳ができる
ようになったとしても、芥川賞をとる事はできませんし、う
つ病になる事もできません。
しかし人間がコンピューター化することはあります。そんな
自覚症状がないままにです。
コンピューターの目的はただ一つ、出力すること。つまり結
果が全てです。出力するために入力しますが、その間のプロ
セスには何もありません。
目的地に着くための移動がスピードアップすればするほど、
頭の中は目的地に着くという結果だけで占められ、旅をする
という過程は限りなく小さくなっていきます。
僕たちが小さい頃は自家用車なんかありませんでしたし、バ
スや汽車でどこかに行くということも滅多にありませんでし
た。自分の二本の足で行ける範囲が日常的な世界でした。そ
うなりますと、乗り物に乗ってどこか遠くへ行くという行為
はものすごく刺激的で、ドラマチックでした。
蒸気機関車に乗って、次から次へと移り変わってゆく窓の外
の風景を眺めているのが楽しかったことを思いだします。
目的地に着いた時にはがっかりしたのです。まるで今とは真
逆ですね。
私たちの恋愛体験とか結婚生活も同じようなものではないで
しょうか。その過程が何よりも実りあるもので、歳をとると
その頃をよく思い返したりします。