結婚と人間らしさ

現代の結婚において、「自分さえ良ければ」という考え方が強くなると、たとえ結婚したとしても長続きすることは難しいでしょう。結婚が単なるステータスの一部となり、それが失われたら何も残らないというのでは、あまりにも虚しく感じます。

この風潮が強まると、金持ちは結婚する必要がなく、貧乏人は結婚できないといった現象が起こりかねません。非正規労働に従事する人々は、結婚を諦めざるを得なくなるでしょう。そうなれば、世の中の中間層が消え、結婚できない人が増加し、結婚しても離婚する人が増え続けることになります。結果的に、出生率は低下し、社会全体が少子化に直面することになります。

結婚文化の消失

結婚して家庭を持ち、子供を育てるという文化が社会から消え去る可能性もあります。この問題は単に結婚に関することだけにとどまりません。人間はどうあるべきか、という深い哲学的な問いにも繋がります。人々の意識や行動パターン、常識が変われば、社会そのものが変わるのです。

結婚相手選びの変化

結婚相談所の視点から見ると、結婚相手を選ぶ基準が表面的になり、人間的な深さが欠ける傾向が強くなっています。どんなにAIの時代が進んでも、コンピューターが人間らしくなることはありません。AIはあくまで機械であり、人間を超えることはできません。人間とは、神が創り出した霊妙な存在です。機械であるAIはどれだけ進化しても、決して人間を超えることはないのです。

愛と孤独: 人間の本質

ある詩人は「人類はずっと孤独だった」と詠いました。愛の対義語は憎しみではなく孤独であり、人は万有引力のように愛を求め続けるといいます。愛し愛されない寂しさは人間にとって本質的なものであり、それを感じない人がいると想像すると、不気味さを感じるのではないでしょうか。

愛情を持たない人々の歴史

かつて中国の宮廷には、皇帝の多くの妾の世話をする宦官（かんがん）という男性たちがいました。彼らは生殖器官を切除され、結婚や愛情を抱くことは許されませんでした。その結果、彼らは権力に異常なほど執着し、冷酷な手段を取るようになったと言われています。愛情を抱くことが許されない環境では、そうした結末に至ることも理解できるのです。

AIに感情を持たせることの不可能性

AIに愛情を組み込んだり、嫉妬や憎しみ、寂しさといった感情を持たせることは不可能です。AIがチェスのチャンピオンになったり、翻訳を上手にこなすことができたとしても、芥川賞を受賞することはありませんし、うつ病にかかることもありません。人間の感情や心の動きは、コンピューターでは到底模倣できないものです。

コンピューター化と人間らしさ

一方で、人間がコンピューターのように合理的で結果重視の思考に陥ることはあります。コンピューターの目的はただ一つ、結果を出力することです。その過程は何もなく、プロセスの意味が薄れていきます。私たちが小さい頃、日常的に使っていた移動手段は足で歩くことがほとんどでした。自家用車やバスで遠くに行くことは特別で、非常に刺激的な体験でした。

結婚も恋愛も過程を楽しむこと

今の時代、目的地に到達するスピードが重要視されるあまり、過程を楽しむことが少なくなってきています。恋愛や結婚においても、結果ばかりに焦点を当ててしまうことが多いかもしれません。しかし、結婚生活や恋愛において大切なのは、その過程こそが最も価値があるということです。歳をとると、過去の思い出が最も大切なものとして残るのではないでしょうか。

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