<Fさん>
「核家族というやつですよね。二世代家族。それ以上の世代
は切り離して考えるのが普通になっていますね。しかも老齢
化と少子化が進んでくと、老人は老人だけの施設で集団生活
してくようになる。世代間のつながりがなくなってゆく。
そんな繰り返し。なんか味気ないような気が僕もしてました。
でも、そのことと未婚の若い人たちが増える事と関わりがあ
るんでしょうかね?むしろ逆のような気がしないでもないん
ですが、、、。」
<由美子>
「ちょっと見にはそうですよね。でも、ありますね、確かに。
核化したのは家族だけだと思いますか?」
<Fさん>
「ええと、そうですね。戦争前の日本は大家族が当たり前で、
三世代どころか四世代同居なんてのもあったと聞いています。
それで、なんですか家長ってやつ、そんな大家族のボスみたい
な人がいて、みんながその人の言うことには逆らえない。そ
んなところに若い女性が嫁いでいくというのは、考えただけで
しんどくなります。」
<由美子>
「ははは、、ホントにそう。その頃は農家が多かったので、育
児や家事だけじゃなく、畑とか田んぼにも出て働かなくちゃい
けない。自分たちの暮らしなんてどこにもない。
それで戦後は個人主義というのが世の中の柱になる考え方にな
りましたね。その個人主義が結婚とか家族という面では核家族
ということになった」。
<Fさん>
「それはいいことですよね。歓迎していいことだと思います。
とても自由な感じがあります。若い人たちの一人一人の個性を
大切にするということにもなります。上からの押し付け、抑圧
なんて言いますけど。それがなくなった。」
<由美子>
「そういう面では確かに良いことなのだと思います。ただし、
です、核化したのは家族だけではなかったような気がするんです。
核家族の中身の一人一人も核化したような気がするんです。
言い換えますと、心のつながりみたいなものが薄くなって、孤
立ってゆうか、個性が孤性になってしまったというか、私は私
あなたはあなたということで、余計な干渉というのはなくなっ
たけど、お互いを理解し合うという心の交流も同時になくなっ
たような気がするんです。」
<Fさん>
「はあ、考え違いみたいなものがあるんですかね」
<由美子>
「あると思います。個人主義というのは、そっちの方が一人一
人の個性を大事に育てっていくということにつながっていくと
思うんですけど、そうなっていないような気がするんですよね。」
<Fさん>
「ひとくちに個人主義って言っても難しいもんなんですね。
個性が孤性になって、一人一人の孤立がすごく目立ってきた。
いい時にはいいけど、いいことだけなく悪いことも自分だけで
解決しなくちゃならない。人に頼っちゃいけない。」
<由美子>
「日本の人たちの自殺率が世界の人たちに比べてダントツに
多いのとか、今の暮らしが幸せだなあと感じる人が少ないのは
どうもその辺りに関わっているような気がするんですね。
幸せってなんですかってきかれた時なんて答えるか?私たちっ
て不幸せじゃないけれど、じゃあ、幸せかって聞かれた時つい
首をひねりたくなる。個人主義になって自由に生きられるよう
になれば、幸せな気持ちを満喫できるはずだったのに、それに
どことなく疑問符がついてしまう。
私は人間にとって幸せっていうのはとてもかけがえなのないも
のだと思います。みんながいつもニコニコしてるのが理想の人
生だと思うんですね」。
<Fさん>
「その通りですね。僕もそう思います。結婚だってそうです。
いつまでも独りじゃなんか人生が虚しく思えるから、こうやって
婚活なんかして、お互いに助け合ったりして賑やかに暮らしたい
と思っていますね」。
<由美子>
「それはもちろんそれでとてもいいことだと思うんですけど、
結婚もいいことばかりじゃない。これは生きて呼吸をして生活
をしている以上、人間の宿命みたいなものです。
それでそんなとき、それをどうやって乗り越えるかっていう問題
になるわけです」。
(続く)
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