そういう中で今、大企業の経営理念として浮上して来
たのが、”BUCA(ぶか)の原理”です。アルファベット
の頭文字で・・・
①Volatility 不安定
②Uncertaily 不確実
③Complexity 複 雑
④Ambiguity 曖昧模糊
これって要するに、
「何かを変えるためには、何かを変える必要がある」
とでも言いたいのでしょうか、、、まさかね。
そんなの当たり前で,質問に質問をもって答えているよ
うなものではないですか。
つまりこれは、市場が資本主義という枠組みのアウト
オブボックス(未知空間)に入ってきた事を意味してい
ます。市井ではこういう場合”諦めが肝心”などと申して
おりますが・・・。
これはですね、要するにもう大企業が主役の時代は終
わったということです。大勢の従業員と下請中小企業
群を従えて、せっせ、せっせとモノをつくっても将来
はないってことです。作っても売れない。
例えばマイカーはほぼゆきわたったし、しかも大型か
ら小型、軽乗用車、オートバイは通り越してチャリン
コの時代になりつつあります。
それに何と言っても給料が安くなる一方だから、買い
たくても買えないという事情があります。
投資も業績が良いからじゃなくて、株価の動向を見て
売り買いされています。
というような次第でこれからの世の中は否応なく大き
く変わっていくことでしょう。
今まで私たちが後生大事に思ってきた常識なるものも
足元から崩れていくような気がします(もうその気配
がありありと見えるようです)。
「何かを変えるためには、何かを変える必要がある」
、、、という大企業の経営者たちの懸念を他人事と笑
って済ませるわけいかないような気もします。私たち自
身の人生観も根本的に見直す必要があるのかなと。
それはこれから家庭を持とうと考えている人たちにと
ってもそうです。
むつみ会結婚相談室が五十有余年前にスタートした時
分はちょうど日本の経済の高度成長期に当たっていて、
婚活市場にもそれが色濃く反映されていました。
女性には結婚適齢期というのが厳然としてありました。
二十五歳を境にして、それを過ぎると嫁き遅れという余
り有り難くないお言葉を頂戴しなければならなかったの
で、何が何でも相手を見つけようと必死でした。
したがって結婚相手の選び方も今とは天と地くらいに
違っていました。親からの後押しも相当強烈でしたっけ。
「アンタねえ、そぎゃん贅沢ばっかり言っとったら行き
遅るっばっかりたい。いい加減この辺で手を打ちなっせ。
何様のつもりかね」。
半ば渋々にという人もなきにしもあらずでしたが、それ
でもそれなりに素敵な家庭を築かれていったのですから
わからないものです。
でも今では結婚適齢期なんて死語となりつつあります。
さてそこでです、今まで資本主義を支えてきた基本原理
なるものとは一体何だったのでしょうか?それは、、、
ナンバーワンの原理だと思います。最終的には一番になっ
たものだけが生き残るし、生き残れない。
これはいうならば、ミスコンでミスユニバースになった女
性以外は美女ではない、以下等分、ドングリの背比べ、有
象無象、、、なんて失礼極まる話ですが、残念ながらそん
な風な理屈でしょう。
ナンバーワン以外は要するにカス。どんどん倒産していくし
かない。そこから漏れた人は一生素敵な恋愛も結婚も諦め
るしかない。
ある人なんか、現代は美人をステイタスが買う「結婚資
本主義」なんて小面憎いことを言っています。
このやりきれないナンバーワン指向は私たちの生活の隅
々にまで入り込んでいます。大学といえば東京大学で、
就活といえば大企業か公務員で、婚活といえば、、、
いやいやこれ以上はアホらしくなるのでやめときまし
ょう。
それに対して人間以外の生き物はすべてが”オンリーワン”
という掟によって存在しています。
生命とはすべからく自己表現であり、単調や均質を嫌って、
多様性を楽しむものだと思うのです。そこには善も悪も多
分ありません。与えられた環境や状況に適応しながら、
与えられた命を全うしようとします。
そういう遺伝子がすべての生き物の中には組み込まれてい
ます。だから今まで何百万年も生き延びてこれたのでしょ
う。思えば、与えられた環境や状況にともすれば不平不満
を並べ立てるのは人間だけではないでしょうか?
結婚だってそうだと思います。妻や夫、それに子供や孫、
みんながオンリーワンのかけがえのない存在です。
ナンバーワンを求め始めた途端に不平不満に取り憑かれ、
家庭は崩壊します。結婚生活の破綻はたいていの場合そう
やって起きているような気がします
婚活だってそうです。”結婚しない症候群”がコロナウイル
スのように世の中に蔓延しつつありますが、これもまたナ
ンバーワン思考がもたらしたものなのだと思います。
結婚の条件としてメリット、デメリットを並べ立ててしま
えば、誰だって二の足を踏みたくなるでしょう。
経済的な問題、精神的な問題、学歴、背丈、要望、性格、
家族関係、居住地域、、、、そんなメリットとデメリット
を秤にかけると、なかなかメリットの方に傾かない。
それでなんとなく、三十歳代になり、四十歳代になると
今度は子供ができるかとか、年老いた親の扶養とかの問題
も加わってきて、二進も三進もいかなくなる。それでもま
だ妥協を知らない人が多すぎるような気がします。
私たちから見て結婚を決断するにおいて最も大切なことは
と言うと、そんなことじゃないと思います。
(その❷へ続く)
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