結婚相談所ってなあに?
熊本の結婚相談所「むつみ会」は、昭和47年(1972年)にスタートしました。その当時、熊本のみならず九州圏内、さらには関東や関西でも、結婚相談所というものはほとんど見かけませんでした。
初めてその存在を知った人々は、「なんだか変わったものができたな」と驚きました。最も多かった勘違いは、結婚生活の悩みやトラブルを相談する場所だと思われていたことです。
当時はパソコンもなく、今のような情報化時代とは程遠かったので、「結婚相手を探すデータが集まっている場所」と聞いても、ピンとこない人が多かったのです。
しかし、むつみ会が築いた基盤が、現在の「結婚相談所」のあり方に大きな影響を与えています。
データを単にマッチングするだけでは足りません。表面的な情報だけでは見えない部分にこそ重要な要素が隠れています。
一人一人と真摯に向き合う姿勢が大切だということを、創業当初の苦労を経て学びました。
映画『人生の特等席』に学ぶ
クリント・イーストウッドの映画『人生の特等席』では、アメリカのメジャーリーグで活躍した名スカウトマンの物語が描かれています。彼は、選手の発掘にコンピューターを使い始めた時代に、データだけでは将来の名選手を見抜けないと信じていました。
ガスという主人公は、自ら足を運び、選手たちのプレーを目で見て、耳で聞き、体験からくる直感で判断します。
このように、数字だけではわからない部分があることを私たちも感じています。
運不運ってなあに?
結婚において「運」が大きな役割を果たすこともあります。
しかし、結婚生活が成功するかどうかは、実は「運」に任せるだけではなく、自分自身の心の持ちようにも関係しています。
過去の経験を振り返ると、運が悪いときには、悪いことが次々と起こることがよくありました。結婚においても、自己嫌悪や悪意が伝わってしまうと、良い出会いは遠のいていくものです。
「シアワセのレモンサワー」の教訓
『シアワセのレモンサワー』という本の帯にあった「根拠のない勇気をもらいました。シアワセのハードルを下げよう」という言葉に、私は深い感銘を受けました。
特に印象に残ったのは「根拠のない勇気」というフレーズ。結婚においても、幸せのハードルを下げることで、シンプルで素朴な幸せに気づくことができるのです。
あるカップルが結婚を決意した理由も、理屈ではなく、ただ相手の手が荒れていたことに気づき、「この人を幸せにしたい」と思ったからだと言います。
身の上相談な結婚相談
結婚相談所は、単なるビジネスではありません。
むつみ会が発足してから十年以上が経ち、結婚相談という業界は社会的に認知されるようになりましたが、多くの同業者は長続きせずに廃業していきました。
これは、結婚相談所という仕事が単に「商品を売る」ことでは成り立たないからです。
真剣に結婚を考え、素敵な家庭を築こうとする人々を、単なる商品として扱うことはできません。
むつみ会の母は、「この仕事は結婚相手を紹介するというより、お互いを磨き合い、成長させる場かもしれない」と言っていました。
まとめ
結婚相談所の仕事は、一人一人としっかりと向き合い、寄り添いながら、お互いの成長をサポートしていくことです。
「むつみ会」の信念は、単なるマッチングにとどまらず、真剣に愛を育むためのサポートをすることにあります。
幸せな結婚を手に入れるためには、自分の心を開き、運命を信じることが大切です。