神社の杜や川にはそれぞれに、
物語があり伝承があり、爺婆は子どもたちに澄んだ
空の向こうのワクワクするような夢を語った。
現実の中に豊かなイメージが広がっていた。
核家族とか独居老人とか無縁社会とか、そんな言葉
が存在するなんて想像もできなかったあのころ・・・。
あの頃は、寅さんがいて、さくら、ひろし、タコ社長、
オイちゃんオバちゃん、源公、御前様がいて、まるで
スクランブル交差点かスクランブルエッグのようなな
かで、喧嘩しながらも補い合って仲良く暮らしてた。
それは資本化、均質化で彩られた皮相な現代を裏表
にしたような古層世界へとつながっている。
三世代同居の大家族のカタチを辛うじて演じている
平田家もセピア色の追憶の中で隔世の感を否めない。
足元が覚束ない、いつ崩壊しても可笑しくない
「大家族」でしかないのだ。
ああ、家族はつらいよ・・・・ホントに。
そういや、我が家も三世代だったな。