最後のラブレター

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2023.11.4
むつみ会代表コラム

人生がフォーマット化され、人はマニュアル化された。
そんななかでの婚活には非常な困難が伴う。なぜなら
結婚の相手だけは流石にマニュアルに沿ってというわ
けにはいかないからだ。
にもかかわらず恋愛結婚指向が強いのだが、恋愛とは
ランダムな造形美に惹かれる情熱だ。人工美と自然美
の境界は実に截然たるものである。
人は後者にしか恋しない。前者への恋心は偽物みたい
なもんで、恋愛への冒涜だと言ってもいいくらいだ。
だからすぐ化けの皮が剥がれる。それでも懲りずに偽
物に恋してやまないのはなんというのだろうか。
恋愛の相手もさるもので、自分を巧みにフォーマット
化し、異性の恋心をくすぐる。
そういう次第でどっちもどっちだから、祝福されて結婚
しても、破綻を迎えるのは時間の問題になる。
「かもめ食堂」や「めがね』や「プール」などの一連の
作品が好きなのは”美女”、”美男”がただの一人も出てこ
ないから。セリフがほとんどないのに、存在感たっぷり
の女優さんだっている。
僕自身について言えば、思春期にラブレターを送った
相手に、今でいうところの定型的美女などただの一人も
いなかった。
心身ともに欠点が何もない（ように見える）美女はなに
か人間以外の気味悪い生き物にしか見えなかった。
相手の欠点にも心が癒されるのが本当の恋愛感情という
ものだろう。凸凹があるから陰影も出てくるし、陰影は
年々歳々姿かたちを変える。
鍵と鍵穴がピッタリフィットする異性と邂逅できた人は
幸いである。豊かな未来への扉が開くのだから。
１足す１は２ではなく、うまくいけば100にも1,000にも
なる。人間らしさを取り戻さなければ恋愛の女神が微笑
むことなんてないだろう、、、ってなわけで、
凸凹の老いた夫から、凸凹の老いた妻への四十年ぶりに
して最後のラブレターとしましょうか。