なあ〜んにもない田舎ですから、ってすぐ言ってしまう。
その”ナニ”ってな〜に?なんて考えもしない。だから、
なあ〜んでもある、らしい都会へ都会へと若者の足が向く。
なにか都会には何もかもがあるかのようにだ。夢も希望
も快適さもロマンスだって、何もかも。
でもそのうちに多分気がついてくるのかも。”ナニ”ってゆう
のは、まず人間の数であり、それからなんでも手に入るこ
と、ただし、おカネさえあればの話だが。
恋愛の相手だって見つかるかもしれない、ただしこれも、
おカネさえあればの話だが。
おカネがなけりゃ、なあ〜んにもない田舎ならぬ、なあー
んにもない都会に化けてしまう。
まかり間違うと、住むところもなくなり、ホームレスになっ
てしまう。ホームレスってのは寝起きできる我が家がないだ
けじゃなく、寝起きするスペース自体がない。
公園で寝起きしてると、付近の住民からの通報で、交番か
ら大勢お巡りさんがやってくる。そうなって初めて身に沁み
てわかるのが”ナニ”の意味ってわけだ。
ナニもかもあるのか、それともナニもないのか。人間っての
は痛い目にでもあわなきゃ、人間の本性も物事の本性もわ
からない。その点歳を食うのも悪くない気がする。
でも、なあ〜んにもないはずの田舎では、お金儲けも、出世
もない代わりに、ホームレスもない。だって野性の鹿とか猪
とかはみんなホームレスだし、人間の作った畑から盗む喰い
をしない限り太平楽で生きていける。
彼ら彼女らにとってそこは間違いなく、”なあ〜んにもない
田舎”じゃなく”なあ〜んもかもある田舎”に違いない。
今僕の家があるあたりは熊本市の東のはずれで割と閑静だが、
それ以前は熊本市のど真ん中あたりに住んでた。託麻原校
区というのは市内有数のマンモス校区で、十三町内まであっ
た。住んでいた四町内にはマンションが何棟も建ち並び、
千世帯近くが住んでて、人口も軽く三千人を超えてた。
隣の三町内に至っては、県内でも最大規模の国家公務員住
宅街があったので、もっと住民が溢れていた。
僕たち夫婦がゆくゆく終の住処にしたいと目論んでいる
産山(うぶやま)というところは、阿蘇山系の大分との県
境にある村で人口は二千人足らずである。
小さな村と言ってしまっていいのかどうかわからない。だ
って、託麻原校区の一つの町内に過ぎない四町内より住ん
でいる人は少ないが、面積となると13町内ある校区全体
の二十倍近くあるのだ。
車で行けばほんの一時間半の距離なのに、この落差はナニ
なんだと思う。まるっきり異次元の世界に迷い込んだ気が
しないでもない。
阿蘇くじゅう国定公園に位置するので、景観は雄大を絵に
描いたようで、そりゃもう申し分ない。
人の姿はものの見事にない。(ちゃんと舗装された)村道を
小一時間を車を飛ばしても人っこひとりいないのが普通だ。
(牛とか馬ならしょっちゅう出くわすが)
村内には車なんて滅多に通らないのに、なぜか農協の前に信
号がある。不思議に思っていると小学校の児童の社会勉強の
ためらしい。だから児童たちはちゃんと信号が青のなるのを
待って、手を挙げて渡っている。
他には信号なんて面倒なものは一つもない。大分との県境の
ところに申し訳のようにあるだけだ。
この産山村に魅せられて福岡から移住してきた中年のご夫婦
がいらして、湧水池のそばで小さなカフェを営まれていた。
付近には野生らしい山羊がたくさんいて、これがびっくりす
るくらい人懐っこい。
カフェの前のテラスでコーヒーを飲んでいると、大きな山羊
がやってきてなぜか僕の背中に隠れた。時々顔を出して前方
の様子を窺っている。まあ、初対面のニンゲンになんと馴れ
馴れしいやつだな、と思っていると、すぐそのわけがわかっ
た。カフェの店主が大きな飼い犬を散歩に連れ出そうとして
いた。この山羊さんの警戒心のなさは一体”ナニ”なんだと思っ
てしまう。
話は変わるが、戦後の高度経済成長からこっち、どこかの大
きな企業に就職すれば食いっぱぐれはないとみんな思ってき
た。でもそっちの方もどうやら目に見えて怪しい雲行きにな
ってきたのはご承知の通り。
♪サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ♪
という歌が流行ったのはもう昔話で、今やサラリーマンをや
っている限り逆に多分将来に生活設計の立てようもない。確
かに時代が逆行し始めている気がする。
生活設計の見込みがないから、結婚もままならなくなる。そ
んな時代の狭間に挟まれた格好で結婚しない人も、結婚でき
ない人も増え続けているのだろう。
熊本の結婚相談所であるむつみ会も半世紀以上の歴史がある
のでそういう世相の変化は痛いほどわかる。同じ国の同じ世
の中とは思えないほどである。
手っ取り早く言えば、”ナニ”が劇的に変わりつつある。人が
生きていくのになくてはならない”ナニ”。結婚して家庭を持
って子どもを産み育てるのに必要な”ナニ”が目に見えないと
ころで地殻変動を起こしているような気がするのだ。
おカネさえあれば安泰かと言えば、それもかなり怪しくなっ
てきたような気がする。あの突然私たちの平穏な暮らしを襲
った地震のように、私たちの足元が崩れれば一万円札がただ
の紙切れになることだって大いにありうる。
その時私たちに問われるものとはナニかといえば、、、、?
おカネで買えない”ナニ”ってなあに?
人として本当に必要な”ナニ”ってなあに?
これからのあなたや私になくてはならない”ナニ”ってなあに?
世の中がどんなに変わっても変わらない”ナニ”ってなあに?
What is what?って自らに問いかける時代が来ているのかも
しれない、いや、本当に。
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