小さな光

熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

2023.08.29
愛のコラム

深い闇に包まれた枯薮の雪の上に小さな光が幽かに落ち
ている。見まわすとあちらにもこちらにも点々と、、、。
何かと思ったら、丘の上にある、ささやかなあなたの小
屋の照り映えの灯りだったのだ。
でも、、、その小さな光はあなたの小屋からは見えない。
みんなそんなことにはちっとも気づかずに生きている。
遠い遠い彼方から長い長い旅をして、私たちの暮らして
いる地球の地面に、月光や星屑の灯りがやってくるよう
に、あなたの小屋のささやかな灯りも、知らないうちに
小雪まじりの冷たい空間をほんのちょっとだけ旅をして、
点々と白い雪の上に落ちていく。
誰も気づかないかもしれないけれど、ときおり孤独な旅人
が、そんなあなたの小さな光を見つけて立ち止まりたくな
る。深い闇、銀色の雪原、そこにあるほのかなひかり、、
、、、人のぬくもり、誰のだかはわからないけれど、旅人
はその足を束の間とどめたくなる。
小屋の光とは知らないし、あなただって旅人のことなんて
これっぽっちも知りはしない。
誰もがそんなふうにして慰めたり、慰められたりして日々
をつつましく生きているのだろう。
そんな私たちの日々の営みを星空だけが知っていて、黙っ
て眺めているのだろう。
熊本の結婚相談所であるむつみ会も孤独な旅人がふと出会
う、枯薮の雪の上に落ちているほのかな光のようなものか
もしれない。そりゃ指先がかじかんでいるのは仕方がない
けれど、そのとき赤いほっぺから吐く息はほんのりとあっ
たかいかもしれない。
いや結婚相談所という存在が小さな小屋の灯りということ
ではなくて、どこにいようとあなたの存在そのものがすで
に小さな小屋の灯りなのだろう。
熊本の結婚相談所むつみ会は小高い丘の上にあって、そこ
からあなたの小さな小屋の灯りを雪景色の中にささやかに
放射する役割を果たすだけなのだろう。
あなたが小さな小屋の光であるということを、あなた自身
さえわかっていないのかもしれないのだが、必ずいつかは
思い当たる日が来るのだと思う。
白い雪の上につつましく落ちている光の形に、ある人がふ
と気づいて、その足を止めたときに・・・・。
ただどうも最近の日本という国は味気ない気もする。私
たちの幼い頃は、四季おりおりの花とか風とか月といった
自然の移り変わりを当たり前のように感じながら暮らしてい
た。暖房も冷房もなかったので、そりゃ夏は暑いし、冬は
寒かったけれど、それがかえって人間的であったような気が
する。また幽霊とか狐憑きとか妖怪とかに出会ったことは
ないけど、無邪気に信じていた。良いも悪いもイメージの世
界がとっても豊かだった気がする。
今は子どもたちも夏は暑い思いを、冬は寒い思いをあまりし
なく済むようだけど、だからと言って幸せかといえばそうと
もいえない。
学校のコンクリートの中に閉じ込められて試験試験でのたう
ちまわらなければならないし、学校を出てもコンクリートの
中の仕事仕事でのたうちまわらなければならない。
幼い時から苦しみ、中年でのたうちまわり、歳をとると歯噛
みしながら死んでゆく。どっちが幸せかは本人の気持ち次第
ではたからとやかくいうことではないけれど、寂しすぎる感
じはする。自然の林や森の中のかわりに、工業製品の林や森
の中で暮らしていくしかない。
最近では世界のあちらこちらで山火事は怒っているけど、九
州あたりでは雪も滅多に積らなくなった。雪山の中の小屋の
光といってもイメージが湧きにくいかもしれない。
日が暮れても、コンビニはあるし、暗闇がないから星空も
あまり見えない。
人の心も同じようなもので、暗闇がないと丘の上の小さな小
屋の灯りが紡ぎ出す物語も成り立たないのかもしれない。
結婚できない人たちが増えてきているのもそういうところに
理由があるのかもしれないと思ったりする。
ある詩人の処女詩集には『１０億年の孤独』という題名が
ついた。人類はずっと孤独だった、と彼はいう。
愛の対語は憎しみではなく孤独なのだ、と彼はいうのだ。
だからひとは万有引力のように愛を求める。
だとすればとても孤独な現代の人たちは、ひょっとすると
いつの時代の人たちよりも丘の上の小屋の小さな灯火であ
り、それが照り映える雪上の光を求めているのかもしれない。