ある高名な作家が知人の結婚披露宴で来賓としての挨拶を、
つまり新郎新婦への祝福の言葉を頼まれたときこう言いました。
「今日はおめでとうとは言わないでおこう。もし十年たってお
二人が幸せだったら、そのとき改めておめでとうと言わせても
らいます」
手厳しいといって仕舞えばそれまでですが、これほど慈愛に溢
れた言葉もないと思います。実際列席者たちの不興を買ったか
と思いきや、共感の嵐だったらしいのです。
父と母なの念頭にあったのもそんなことだったのかもしれません。
そりゃ結婚式の時は誰だって幸せを絵に描いたような顔を
しているでしょうが、それが十年後二十年三十年後も同じよう
な顔とまではいかないでしょうが、味わい深いいい顔になって
いれば素晴らしいことではないかと思います。
結婚相談所にはそれこそいろんな人がいらっしゃいます。お客
さんは神様とまでは言わないけれど、選ぶことはできません。
ある時一人娘さんの縁談の相談にお父上が来店されました。
開口一番というかほとんど切り口上でこうおっしゃいました。
「人間なんてみんな同じようなもんだから、娘の相手は学歴が
あって、大企業の社員か公務員だったらいいです」
いや正直なところ開いた口がふさがらないような気がしました。
「それは違うんじゃないですか」と言いたかったのは山々でし
たが、結婚相談所は理屈を言い合うところじゃないし、
「まあ、それに越したことはないでしょうね」
くらいで話を合わせておきました。それにしても万一失業でも
したらどうなるんだろうとは思います。もう人間扱いにもなら
ないのかなあ、なんて。特にこれからの不安定の時代では何が
起きるかわからないし、もし私に娘がいたら、逆境に強くて潰
しが効くような相手を望むと思います。まあ、子どもの仕事や
結婚に余計な口出しをしたことはありませんが、息子は二人と
もベストな女性を射止めたと感謝しています。私たち夫婦とも
至極仲良しですしね。
結婚相談所に初めて来られた方なんかには、「どういう感じの
方がいいですか?」というようなことはよく訊ねます。大抵の
方はそこでしきりに頭を捻られます。体重とか身長とかについ
てはたまに希望を言われる方もいますが、どういうイメージと
かになるととても難しいようです。お写真を見てもなかなかピ
ンと来ない場合が多いようです。
でも中にははっきりとした相手のイメージを抱いている方もい
らっしゃいます。でも正直なところあまり当てにならないこと
が多いようです。結局お話がまとまる相手は、前もって描いてい
たイメージとは程遠い方になったりします。フィーリングが合
うか合わないかがやはり一番の決め手になっているような気が
します。先入観というのは当てになりませんね。
結局は人と人の出会いというところなのだと思います。だから
あくまで第三者に過ぎない私たちには予測がつきません。
では、皆さんは何を求めて結婚相談所に来られるのかなどとい
うことをよく思います。最近それはどうも”物語”を求めてではな
いのだろうか、なんてよく考えます。なんとなく真空のような
生活の空間に、彩りとか生きている実感みたいなものを求めて
来られるのではないでしょうか?だからお相手はそういう気持
ちにどこかしっくりくる方ということになりますか?
人間はみんな一緒というなら、どうやらそこらあたりの言うに
言われぬ、とてもデリケートなところにあるような気がします。
西行法師が「花の下にて春死なむ、そは如月の望月の頃」と歌
った心境にも合い通ずるところがあるようにも思われます。
西行法師は人並みの結婚と家庭生活の日常にどこか飽き足らな
いものを痛切に感じて放浪の旅に出たのかもしれません。
そして亡くなるその時まで何かを求め続けた稀代のロマンチス
トだったのでしょう。
私は今七十三歳ですが、その気持ちはよくわかるような気がし
ます。男女のロマンスと全く無縁になりましたが、人生にロマ
ンを求める思いは年齢には無関係なような気がします。
「発信者にとって利他は未来からやってくる。受信者にとっ
て利他は過去からやってくる。」
なんてちょっぴり難しいことをいった人がいました。
(中島岳志)
利他の対語はいうまでもなくエゴですが、現代の私たちの社
会生活はそのエゴによって回っているかのようです。
成人式はオトナになる儀式ですが、そんな利他のメッセージ
に気づくための儀式ではなく、むしろエゴに彩られたオトナ
社会に現実に上手に順応していく儀式になっているような
気がします。
でもそれでほんとに心が満たされるのかといえば、やはり首
をひねりたくなります。結婚というのはいわばもう一度大人
になる儀式のようなものですが、それは心の奥底で利他を求
める気持ちが働いているのかもしれないななんて思います。
独身生活は一見自由で楽しいようですが、何か自分の一回きり
の人生にとっては物足りない心理が働いているのではないかな
なんて思ったりしています。
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