ひとりぼっちのラブレター
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ホテルのエントランスの
カフェテーブル
俺はやけに苦い
ブラックをすすり
ウオールガラスむこうの
人の行き来を
眺めていた。
通り過ぎてく
男も女も着飾った
ただのオブジェ
眺めてたというなら
空しい時間の
エアポケット
ひとりぼっちにするんだ
悲しみを忘れさせない
エンジンバックサウンドで
ロックンロール
口ずさみたくなる
ボリュームあげて
ちぎれ雲とんでゆく
フロントガラスに
風が唸った
通り過ぎてく
夏の空も色づいた
ただの風景
思いの丈告げるに
軽っぽい文句
伝わらない
熱い陽射しの中で
わびしさを抱きしめるだけ
この掌につかもうとした
夢があった
指のすきまいつも
すりぬけてった
握れぬ砂のよに
夢が砂ならば
愛はなんだ
生きる勇気が
ひとかけらのパン屑に
成り果てたら
ひとりぼっちのラブレター
愛されなくても
愛すりゃいい
愛するため生まれた
それを知るためここにいる
ひとりぼっちのラブレター