熊本の結婚相談所むつみ会のブログ

ジェルソミーナ愛の歌(愛さなければいい)

どうして年々結婚できない人が増え、結婚しても離婚する人が
増え、または離婚しないでも家庭がとても居心地の悪いところ
になってしまうのか。
もし周りに素敵なご夫婦や家族のモデルがあったとしたら如
何でしょう?
誰だって結婚したいと思うし、結婚したらあんな風な家庭を
築きたいと思うし、ひょっとしたらそのためには何が大事で、
どういうことがいけないのかに思いをめぐらす人も出てくる
のかもしれません。
少なくとも日本では明治までは「恋愛」という「概念」その
ものがなかったのです。西洋でもロマン主義がでてくるまで
日本では大正浪漫までそうでした。
じゃあ恋愛とはなんだったかというと、今風に言えば、患い
こころに何かが取り憑く事・・まあそういった意味です。
現代のある文人によれば、こころの中に物語をつくる、また
は陶酔する能力ということになります。
恋愛という言葉を初めて使ったのは、スタンダールというフ
ランスの有名な小説家です。その彼によれば、今私たちがイ
メージしている殆どが、恋愛に該当しません。 
そもそも「愛」の一文字が何かを意味するものではなく、
体で感じるものなのです。だから、夢見るように憧れるもの
ではないというのです。夢は必ず覚めますから愛も冷めます。
ではどんなものかというと、なくしてみて、初めて自分にと
って、どんなにかけがえのない存在であった気付くものといっ
てもいいでしょう。
喧嘩ばっかりしてた伴侶だって、実はかけがえのない存在だっ
たということだってあります。
イタリアのフェリーニ監督の名作映画『道』を見るとそんなニ
ュアンスがよくわかります。
登場人物は三人、
ザンパノ・・粗暴な道芸人でジェルソミーナ
      をただ同然で買いこきつかう 
ジェルソミーナ・・一寸知恵おくれだが純真
      な魂を持った娘。ジェルソミーナ
      はジャスミンの花のこと
アルレッキス・・サーカスの道化師。ザンパノ
      を普段は揶揄しているが、彼の心
      の深い孤独を理解している。ジェル
      ソミーナに生きる勇気を与える
ぼくは道化師のキャラが好きです。あの笑いの奥に深い悲し
みが宿っているからです。そんな人生の二面性が道化師なの
です。おどけながらも、人のこころの喜びも悲しみも知って
います。
ザンパノは「悪」を、すなわちぼくやあなたを象徴してい
ます。アルレックスは「神」で、ジェルソミーナはいわば
「天使」の象徴でしょう。
乱暴を繰り返すザンパノに愛想が尽きた彼女は、アルレック
スに相談します。彼はあんなろくでもない奴とは別れろ、と
けなしながら、実はザンパノという男のたった一人の理解者
でもあったのです。
道化師のアルレッキスは口先ではあんな奴とは別れよといい
ながら、暗黙にあいつの気持ちも分かってやれよとジェルソ
ミーナにけしかけているのです。それはたった一人の理解者
だからです。
・・かわいそう
・・そうだ、かわいそうだ。しかしお前の
  他に誰が奴のそばにいられる?
・・私は何の役にも立たない女よ
・・道ばたの小石だって何かの役に立って
  いるんだ。この世にあるものは何かの
  役に立っているんだ。
自分だって何かの役に立つという言葉に励まされて、彼女は
拘置所から出てくる、一旦は愛想をつかしたザンパノを迎え
に行きます。彼は内心の嬉しさを押し隠して、邪険にいいます。
「グズグズするな。でかけるぞ」
そうしてまた二人だけの旅が始まるのです。しかしその度の途
中で取り返しのつかない悲劇が起きてしまうのです。
峠の道でばったり会ったザンパノらとアルレックスは、喧嘩
になり、転倒したアルレックスは打ち所が悪くて死んでしま
います。
動くなったアルレックスをみて、ジェルソミーナは、いいます。
「ほら、アレックス、あの人変よ」「あの人変よ」・・・・・・・・
アルレックスはジェルソミーナに産まれて初めて生きる勇気を
与えてくれた人だったのです。
ジェルソミーナの無垢な心はその余りに衝撃的な事実を受け
止めきれませんでした。そしてついに発狂してしまいます。
死んで動かなくなったアルレキースの姿、
路端の石ころだって、何かの役に立っている。上手に説明で
きないが、神様ならご存知だ。アザミ顔のお前でも、何かの
役には立っている。お前がいなけりゃ、誰があいつのそばに
いる?分かってやれよ。といってくれたあの人・・
「ねえ、あの人が変よ」
「ねえ、あの人が変よ」
「・・・・・・・・・」
そればかり繰り返すジェルソミーナをザンパノはすっかり持て
余します。そしてとうとう、うら寂しい街道にある廃墟で寝て
しまったジェルソミーナを置き去りにします。
それから2年後、ある港町でサーカスの興行中だったザンパ
ノはぶらりと散歩に出かけます。
するとどこからか、あのジェルソミーナがいつもトランペッ
トで吹いていた、一つ覚えのメロデイーが風に乗ってやっ
てくるのです。
生きていた!生きていた!あいつが生きていた!ザンパノの
胸は喜びであふれます。
しかし歌声の主は「女」でなく、野っぱらに洗濯物を干して
いる見知らぬ女性でした。「男」は女性に訊ねます。
「その歌はどこで覚えたんだい?」
「え、何?」
「ほら、今しがたあんたが歌ってたやつ
 だよ」
「ああ、あの歌ね。あれはねここにしば
 らくいた、
 頭のおかしい娘っ子がいつもトランペ
 ットで吹い ていたのさ」
「男」は震える声でおそるおそる訊きます。
「そ、その娘っ子はどうしてるんだね・・?」
「あんたサーカスの人だね。そういえばあ
の娘も サーカスにいたっていってたねえ、
知り合いかい?」
「今どこにいるんだね・・・?」
「死んじまったよ。3,4年前になるかね。
 夜どこともなく出ていったと思ったら、
 朝方家の玄関で冷たくなっていたのさ」
男の脚は夜の海岸へと・・・
その夜「男」は泥酔し、酒場で荒れまくります。喧嘩になり、
酒場の大勢の男たちに袋たたきにあいます。
ぼろきれのようになった「男」の脚は彷徨うように、導かれる
ように、夜の海岸へと向かいます。
「女」が大好きだった”海”・・・寄せては返す潮騒はまるで
男の耳には死んだ「女」の心臓の鼓動のようです。
「男」は夜空を見上げます。救いを求めるように・・・。
今だかってそんなもの見たこともなかった、そこにあるのは
満天の星空でした。
男はたしかにそこに何かを見たのです。失って初めて分かっ
た余りに大きな存在の姿を。あの置き去りにした、ちょっと
足りないけど無垢な「女」ジェルソミーナの愛おしい面影を・・・・。
「男」は号泣します。砂をいや大地をつかみ、身をよじって・・・。
それは意地っ張りな「男」が生まれて初めて流した涙だった
かもしれません。
さてそんな「男」の姿は、実は「人間たち」の姿でもあると
思うのです。つまり僕やあなたです。
人間という存在は、大なり小なりザンパノという「男」と重な
りながら、あるいは交錯しながら、光と闇のなかをさまよって
いる、僕にはそんな感じがしてなりません。
大地をつかみ、号泣し、後悔し、身をよじり、それは人間が
脱皮して行く姿に他なりません。
万物は風化し、褪色し、ひび割れ、老廃物の塊となります。
この自然の摂理みたいなものと果敢に戦っている奇跡のよう
な存在、それが人の生命なのかなと思います。
そして生命は愛するが故の悲しみ、苦しみ、そして喜びによ
って存在しているのだと思います。
もしあなたがこの世の悲しみや痛みから逃れたいと思うなら、
それはもう簡単なことです。
愛さなければいい!!

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