”思いやり”って何でしょう?
「他者の心に自己移入して、喜怒哀楽を共有できる感
性の力」・・・というのが、私の定義です。
それは学校教育のプログラムで培うことができるかと
いえば残念ながら首を傾げたくなります。
むしろそこでは子どもたちの心からバキュームカーで
生命のエッセンスを吸い取ってしまうような一面を抱
えています。
”思いやり”は受験競争の足かせにはなっても、足し
にはならないからです。
また点数化できないもの、数値化、序列化できないも
のは視野に入れないなんておかしいなと思います。
人間らしさというのはそんなものではないと思います。
温かい人間らしさが失われることで、家族や地域のコ
ミュニテイが壊れ、自然とのつながりがなくなってい
くような気がします。
脳は主語を理解できないといいます。
したがって「あいつは馬鹿だ」というと、それは脳の
中では「僕は馬鹿」だといったことにもなるのです。
ではみんなの幸せを願うとどうなるか、といえば、
それは結局知らず知らず自分の幸せを念じていること
になるわけです。
そういうことが自然の流れというか、摂理というか、
そんなものにつながっていくような気がします。
婚活のお世話をさせていただいてますと、そういうい
うに言われぬ阿吽(あうん)の呼吸みたいなものがと
ても大事なような気がしてならないのです。
むつみ会結婚相談室を亡き父と母が立ち上げた頃を振
り返ってみますと、時代の移り変わりというものを切
実に感じます。
こういっては悪いのですが、年々味気なくなってきた
なあと、、、。五十有余年の歳月がすっかり人の心も
変えてしまったのかなというのが偽らざる実感です。
”思いやり”のない男女の愛情とは一体何者なのでしょ
う?そんなことをついつい考えてしまいます
会員さんから、結婚に一番大事なものは何でしょうネ?
と訊かれると、(亡くなった)母は必ず「それはやっ
ぱり思いやりでしょうね」。
と答えていました。本当にそう思います。
人生には将来を大きく変える別れ道というのがありま
す。人の世は移ろいやすくなかなか思惑通りにはいかな
いものですが、それは後から振り返って思う話です。そ
の場面に直面しているときは真剣そのものです。
進学、就職、そして結婚・・・一人の一人の人間のさ
さやかかもしれない、一生の三大イベントです。
進学と就職は競争原理のレベルの出来事で、要するに
勝ち組と負け組に峻別されていくだけの単純な話です。
しかし結婚という問題は違います。
婚活を進学や就職と同じように考えるとトンデモナイ
ことになりかねません。
人間的な要素がいっぱい詰まっています。そこのとこ
ろを忘れてはいけないと思います。
そしてある意味、進学や就職以上にその人の一生を決
定づけます。
(❷に続く)
