フランス人冒険家が極北を旅して、イヌイットの家族に
一宿一飯にあずかった。夜長の徒然に彼は故国で流行の
シンデレラ物語を語って聞かせた。
それを聞いたイヌイットのお父さんとお母さんはビック
リした。
まさか、かの国ではこんな話を子どもたちに聞かせてい
るのだろうか?
僕たちが知っているシンデレラはパクリである。
元ネタは神話の世界の地球的ベストセラーである。
同工異曲で世界中で語り継がれてきた。
それを近代の黎明期に、フランス宮廷で皇太子用に編
纂され、さらに後年、デイズニーがアニメ制作の為に書
き下ろし、現在のシンデレラ物語が出来上がった。
不遇な少女が、女性たちの憧れの男性と結ばれるという
ハッピーエンドは変わらない。
だがこのデイズニーモデルはイヌイットたちにとって堪え
難いものだった。
第一に、王子という虚名に群がる若い女性像という設定が。
第二に、オシャレを競う,ファッションショーでしかなか
った。
第三に、王子が選ぶのが、最も美しいドレス姿のシンデレ
ラであったこと。
精神的価値が全くといっていいほど無視されているのがイ
ヌイットの眼には、許されない人間冒瀆と映ったのである。
さてあなたはいかが?
あなたの眼は節穴ですか、それとも・・・?
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