川は上流に行くほど澄んでいる。
下流に行けば濁ってくる。
だから人生に迷った時は山に登りたくなる。
阿蘇久住連山にある産山村が好きなのは、
そこにはここかしこに澄み切った湧き水が
溢れ出していてやむことを知らないからだ。
義父はそこに一週間滞在して癌が治った。
しかし・・・
この世という名の川は、上流に行くほど
濁っている、それもどうしようもないくらい。
かって理想に燃える人たちが上を目指した。
そして絶望するか、あるいは堕落した。
人の心は石だ、頑なでちっぽけな石っころ。
そんな石っころから生まれた思想も石っころで、
頑なでちっぽけで、いつも喧嘩ばかりしてる。
そしていつまでも石っころのままだ、
石っころでしかないあいだは・・・。
どんなに知恵と愛と寛容さで澄みきった水の中にいても
それが石の中にしみこんでいくことはない。

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