男性原理はイブがアダムの肋骨から生まれたとき
(旧約聖書)からはじまった。
つまり男性が主役の物語はたかだか二千数百年の
歴史に過ぎず、
その前の長い長い先史(文字がない)時代は女性が主役
(母権社会)の時代だった。
女性は自然受容志向で男性は自然改変志向である。
太陽神崇拝は男性で、女性は大地神崇拝である。
天空は男性の、大地は女性のメタファである。
natureの語源(ラテン語)は女性で、
豊穣、原理、創造、前提、出発点などの象徴である。
”自然”は女性で”人工”は男性である。
したがって人類史の99%以は当然ながら、
大いなる自然に人間が適応して生きてきた。
それが男性原理の社会になるや否や、
人間の都合に合わせてひたすら自然
を作り変えてきた。
都市化した現代人の日常世界は、
ゴキブリとペットと人間様しか
住めない異様なる人工空間である
(唯脳史観・マックスウエーバー)
だがその人間様は実のところゾウリムシ一つ
つくりだせない、
文明とは人間がゼロから何かを産みだしたと
いうわけではない。
(一握りの)人間たちが天地のありとあらゆるも
のを収奪し尽くして出来上がった。
それは男性原理による文明社会である。
要するにモノをA地点からB地点に移動しただけ、
車の窓からごみをポイ捨てしたようなもの。
所詮儚いゼロサムゲームでしかなかったのだった。

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