僕にまかせて下さい、
とゴリラはいった
*
お昼過ぎ妻とお墓参りに行った。途中車のフロントガラ
スにポツポツと雨粒が・・・
あらあら、今度は遠雷まで・・・
傘もってくるの忘れたなあ、と思っていると、
妻は「よかったー」といった。???
・・・・・「洗濯物とりこんできて」。
・・・・・そうかそりゃよかった。
まあ、雨はどうにかしのげるさ、と気を取り直すまもなく、
小降りになり、お墓につくころにはあがった。
まことにもって恵みの雨で、車外に出ると、冷やりとする、
あんなに暑かったのに。周りの緑が艶めいて美しい。
もうすでに先着者がいたらしく、ほおづきが二輪挿してあ
る。デッキブラシと大きなスポンジで石を磨いた。
雑草をつんだ。線香をあげ手を合わす。
帰りの道すじ、なぜか歌を思い出した。
昔好きだったやつだ。
僕にまかせて下さい
きみはその手に花をかかえて
急な坂をのぼる
僕の手には ちいさな手おけ
きみのあとにつづく
君の母さんが眠っている
ささやかな石のまわり
草をつみながら 振り返ると
泣き虫のきみがいた
両手をあわせたかたわらで
揺れてるれんげ草
あなたの大事な人を僕に
まかせて下さい
きみがとても大切にしてた
藤色のお手玉
あれは昔 きみのかあさんが
つくってくれたもの
そして僕が大切にしている
日だまりのような人
それもそっと きみのかあさんが
残してくれたもの
集めた落ち葉に火をつけて
きみはぽつりとありがとう
彼岸過ぎたら僕の部屋も
あたたかくなる
両手をあわせたかたわらで
揺れてるれんげ草
あなたの大事な人を僕に
まかせてください
・・・さだまさし
七年前(ゴリラのような)次男とめでたく結婚した
ハル君とミーちゃんのママは、幼いときに母を亡くした。
すっかり泣き虫になった僕だったが、結婚式の披露宴で
は絶対泣かないと心に決めてた。
でも最後の新婦のメッセージの「天国のお母さん見てい
ますか・・・?」
のくだりでついに堰が切れてしまった。
そういえば先週彼ら、パパとママと、それからそれから、
ハル君とミーちゃんは、
天草のおかあさんのお墓参りにいったんだ。

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