近代が終わり、ポピュリズムの時代が来た。
いずれにしたって一夜の夢に違いない。
孫の六歳のハル君や三歳のミーちゃんのめく
るめくような夢をエネルギーにしてメリーゴ
ーラウンドは回り続けた、半世紀以上も。
そして老いぼれた今になってふと気づく。
メリーゴーラウンドの夢はもう醒めるのだと。
十年一区切りの来し方をふりかえると、
あっという間だった。
ならばこれからの十年は・・・。
というのが僕のこれからの渾身のテーマにな
ってしまった。
ポピュリズムが跋扈する二十一世紀もメリーゴ
ーラウンドのようなもので、もうじき止まるだ
ろう。絶海の孤島のような、人口わずか百二十万
のモーリシャスという国が世界の富を吸い込む時
代が夢でなくてなんだ。
地理のフロンティアはこの小国で行きどまり、
インフラのフロンティアはニッポンのシャワー
トイレで行き詰る。そんな時代には保守も革新も
権威も権力も、資本主義もマルクスも、民主主義
もファシズムも、国家も国民的象徴も無縁だ。
ただぬるま湯みたいな日常が
たゆたうだけなのだろう。
得体の知れない不安をかかえながらも、ただひた
すらに現状に縋りついている。勢いがつくと一人
で回り続けるメリーゴーラウンドを止めるのにも
う大した力はいらないのだが、天下のポピュリス
トたちにはそんなパワーもない。また実際その必
要もない。とめなくともとまり、続けなくても終
わるのだから。
そのあとには輪廻のような、永遠に営み続けられ
る、生きとし生けるものの、
ホントの人生がひろがってゆく。

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