土曜日に、みんな(三歳から七十歳の差し引き六十七年の
総勢六人)で江津湖にホタルをみに行った。
三年前は、パアパが専門学校の講師もするようになって、
その勉強会があったし、三歳のミーちゃんも生まれていな
かった。
わが家から歩いて十五分という絶好の立地である。今年
だコロナ自粛で花火大会も中止になった。
花火大会といえば思い出がある。子どもら(パパとパパの
お兄チャン、今は福島で家庭を持ってる)が幼いとき、
(中央区の新屋敷に自宅と事務所があった)
僕が付き添っていったのはいいが、なんせ人出が半端じ
ゃない。
帰宅するのにエライ眼にあって以来、二度と近寄らない。
今回はなんと打ち上げ会場まで徒歩十分、日ごろの遊び場
ゾーンである。
``
その点ホタル鑑賞は風雅なもんだ。この辺は水前寺公園か
らの湧水地域だからいいが、もうその数百M先になると、
汚染されている。
ホタルが好きな、あま~い水はない。
虫類は、ゴキブリは別格(だから好き)として汚染に敏感。
それでホタルが希少価値となる。
あの仄かなあかりもあわれだが、翌朝は屍骸と果てる事は
誰も知らぬ。あの点滅は夢か現か・・・・・・?
ややするとその絶え入りそうな一つの灯りが、ゆれながら
僕たち4人連れのほうに寄り添ってきて、なんとミーちゃ
んをダッコしているマンマの手のひらにとまった。
マンマがハル君の手のひらに移そうとすると、滑り落ちた
が、みるとちゃんとスカートにとまっている。
手を伸ばすと待っていたかのように指に乗り、
ハル君のちっこいてのひらに来臨された。ハル君はみつめ、
ホタルは憩っているかのようにとどまり、
おとなたち三人は暗闇の中で、その淡い交感の姿をながめて、
なにやらしあわせな気分になった。
``
花火もホタルも日本人は大好きだ。四季があって、彩り豊
かで、平和な歴史を持つ民族の感性はとても豊かで繊細。
だから、栄枯盛衰にも敏感で、敗者のために涙を流し、弱
きものの味方であり、この世の儚さに過敏だ。
花火やホタルを好むのは、その儚さに惹かれるからか。
しかし花火は一発十万円が数秒で灰塵と化すが、
ホタルなんてもちろんタダ。風流は本来無欲なんだ。
花火の打ち上げ費用におけるカネの儚さは税金の無駄とも
いえるが、誰も知らない、いわない。
その昔、ホタルはその淡いあかりで勉強するほどあったが、
逆に少し田舎に行くと電気がなかった。
今は二十四時間電気だらけで、暗闇を知らないし、
ホタルもいなくなった。深夜の灯りは自己主張だが、
暗闇の中のホタルはポエムだ。時代の流れ・・・。
そうそう、あの時カエルがないてたな。近いうちにハル君と
ミーちゃん一緒に見っけに行こう。
(おわり)
*
土曜日に、みんな(三歳から七十歳の差し引き六十七年の
総勢六人)で江津湖にホタルをみに行った。
三年前は、パアパが専門学校の講師もするようになって、
その勉強会があったし、三歳のミーちゃんも生まれていな
かった。
わが家から歩いて十五分という絶好の立地である。今年
だコロナ自粛で花火大会も中止になった。
花火大会といえば思い出がある。子どもら(パパとパパの
お兄チャン、今は福島で家庭を持ってる)が幼いとき、
(中央区の新屋敷に自宅と事務所があった)
僕が付き添っていったのはいいが、なんせ人出が半端じ
ゃない。
帰宅するのにエライ眼にあって以来、二度と近寄らない。
今回はなんと打ち上げ会場まで徒歩十分、日ごろの遊び場
ゾーンである。
``
その点ホタル鑑賞は風雅なもんだ。この辺は水前寺公園か
らの湧水地域だからいいが、もうその数百M先になると、
汚染されている。
ホタルが好きな、あま~い水はない。
虫類は、ゴキブリは別格(だから好き)として汚染に敏感。
それでホタルが希少価値となる。
あの仄かなあかりもあわれだが、翌朝は屍骸と果てる事は
誰も知らぬ。あの点滅は夢か現か・・・・・・?
ややするとその絶え入りそうな一つの灯りが、ゆれながら
僕たち4人連れのほうに寄り添ってきて、なんとミーちゃ
んをダッコしているマンマの手のひらにとまった。
マンマがハル君の手のひらに移そうとすると、滑り落ちた
が、みるとちゃんとスカートにとまっている。
手を伸ばすと待っていたかのように指に乗り、
ハル君のちっこいてのひらに来臨された。ハル君はみつめ、
ホタルは憩っているかのようにとどまり、
おとなたち三人は暗闇の中で、その淡い交感の姿をながめて、
なにやらしあわせな気分になった。
``
花火もホタルも日本人は大好きだ。四季があって、彩り豊
かで、平和な歴史を持つ民族の感性はとても豊かで繊細。
だから、栄枯盛衰にも敏感で、敗者のために涙を流し、弱
きものの味方であり、この世の儚さに過敏だ。
花火やホタルを好むのは、その儚さに惹かれるからか。
しかし花火は一発十万円が数秒で灰塵と化すが、
ホタルなんてもちろんタダ。風流は本来無欲なんだ。
花火の打ち上げ費用におけるカネの儚さは税金の無駄とも
いえるが、誰も知らない、いわない。
その昔、ホタルはその淡いあかりで勉強するほどあったが、
逆に少し田舎に行くと電気がなかった。
今は二十四時間電気だらけで、暗闇を知らないし、
ホタルもいなくなった。深夜の灯りは自己主張だが、
暗闇の中のホタルはポエムだ。時代の流れ・・・。
そうそう、あの時カエルがないてたな。近いうちにハル君と
ミーちゃん一緒に見っけに行こう。
(おわり)

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