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故、野田竹人、当時66歳,故、野田ミヨ子、当時55歳、明治と大正生まれの、アナログの、振り子式の、古ぼけた、バカでかい柱時計のような、愚直と反骨をこよなく愛し、ハタ迷惑な浪漫派。戦後アメリカイズムの、売った買ったのバタ臭い世相の渦中で、ほぼ時代錯誤的に泣き笑いの人生を貫いてしまった、愛すべく、どこか悲しい、それがまさに私たちの父と母なのだ。

風雪に耐え、苦節を忍んで、不遇の苦い涙は黙って飲み干した。ナンと大時代な、浪花節じゃあるまいしなどと言われそうだが、私たち4人の子供の脳裏に忘れ難く焼き付いているのは間違いなく、必死に生きている父と母の姿、それだけだ。苦しく、厳しい時代を、育ち盛りの4人の子供たちのために、命を削るようにして生きてきた 。

思いつめた眼差し、溜息混じりの息づかい、人生一度っきりの男の号泣、運命への怨嗟、眠れぬ夜の長さ、迷い、悔悟、怒り、悲しみ・・・。 過去と未来が交錯し、もつれ合い、曼荼羅となって心をかき乱す。人はいくら年齢を重ねようと知れたものなのだ。嵐の海に一旦出会えばひたすら翻弄されるしかない。
過去の試練からいかに生きる勇気を学ぼうとも、それが今現在相対している不安や怖れに役に立つとは限らない。新しい試練を乗り越えるには、又新しい勇気をどこからか見つけ出してくるしかない。人は皆弱くて脆い。

問題は土俵際だ。追いこまれだ最後の場面で初めて神の声はやってくるのだ。 凍えた子供の心と身体を自らの体温で温める、消えかかる命の炎を掻きたてるかのように、他に術がない、神に祈る以外には。
空きっ腹をかかえて、一つのパンを譲り合い、分け合ってかじる。私たちが父と母から無言のうちに学んだのは、どうしようもない人の世の不条理であり、なるようにしかならないという諦観である。そしてそう、その強靭で深い愛情(それは今思えばおそるべきものだった)に支えられた、家族の絆の重さである。

家族の歴史の、かけがえのない日々の、切ないまでの肌のぬくもりに包まれた、人の世の一つのカタチ、そういうものと地続きに世界の全てがあるのなら、たとえ貧しくとも人々は安らかに朝を迎え、満たされて眠りにつくことだろう。
あるいは蝶のように軽やかに、あるいは鳥のように自由に、瞬間々々の生命を謳歌しているかもしれない。もしかすると人々が忘却の海に置き去りにした、あの懐かしい思い出たちを取り戻せるかもしれないのだ。

noda shigeharu

01/02/03